![]() 師匠の個展のオープニングのあと、みんなでフレスコ画の現場に戻ったら、さあ、お疲れ様会の準備です。 車で着いた途端、おばちゃんたちに呼び止められて、みんなで一緒にお手伝い。 「みんな〜、小屋にあるものを持ってきてね~」 師匠だってお手伝いに参加です。 トラクターの後ろのワゴンには・・・ ![]() た~っくさんの、おいしいもののお皿がぎっしり乗ってますよ~。 ![]() さあ、手にごちそうのお皿を持ったら、しゅっぱ~つ! ![]() パン焼き小屋からいつもご飯を食べてるところまで、トラクターを先頭に、ごちそう持ってパレードで~す♪ ![]() 日も傾いてきましたよ。 途中、右手に見えるのが、4年前の航空写真爆風事件以来、おつきあいがなくなってしまったお宅・・・おばちゃ〜ん、今回も会いたかったのに・・・ ![]() 食事場所の前では、火を起こし始めました。 ![]() その間、私は友人Rと、私の左の壁で描いていたR、Asと一緒に、みんなの絵をゆっくり見に行くことに。 みんなこの5日間、それぞれがけっこう自分の絵にかかりきりで、他の人の絵をほとんど見てないんですよね。 ![]() RやAsの絵も、私の壁も、西日が当たって木の影がきれい。 誰とはなしに影絵を始めちゃって、みんなで一緒に記念写真。私の好きな写真のひとつです。 ![]() 本当にここは気持ちがいい。 別に感傷的になるつもりはないけれど、こうやって、またあらためてしみじみ辺りの景色を眺めてみたりして。 ![]() さあ、もうテーブルいっぱいに食事の用意もできましたよ~。 でも乾杯はもうちょっと待って。 母屋の方から何かが近づいてきましたよ・・・ ![]() ふ~っふっふっふ・・・ 現れたのは・・・・・・大きな鎌を持った・・・・・・死神?! ああ、ホントこの人(オーナーS)は、サービス精神旺盛だなあ。 もちろんみんないっせいに彼を取り囲んで、写真撮影ターイム! そしてオーナーSの乾杯の音頭で、お疲れ様会の始まり〜。 ![]() 数人ずつで固まって、冗談言ったり、仕事の話、アートの話、取り止めのない話をして。 ![]() なんとなく今まであんまり話をしなかった人と、この機会にちょっと話したり。 ![]() 連絡先の交換をしたり。 それで初めて(今更ながら)相手が普段はどんな仕事をしてるのか知ったり。 ![]() この5日間、それぞれが自分のペースで仕事を進めて、自分の仕事の都合にいい時間にそれぞれ食事をしてって、けっこうみんなバラバラで 過ごしてきたけど、でもやっぱり「仲間」って感じがする人たち。 絵を描く時ってたいていひとりだけど、そうやって自分の仕事にマイペースで集中して、でも周りを見れば気持ちがいい仲間がいて。 そういう距離感がすごく心地よかった。 ![]() 今までほとんど話をする機会がなかったNが、ちょっと照れながら「連絡先を交換しよう?」と近づいてきた。 彼女はずっと旦那さんと一緒に仕事に専念しているようだったので、あえて邪魔しないようにと話しかけたりしなかったのだけど、 実は彼女は、私が思ってたよりもずっとずっと、みんなと仲良くしたかったのかな、なんて考えた。 ![]() ホテルに戻ってから、みんなでまたおしゃべり。 ![]() 明日からはみんなまたそれぞれの国に帰って、それぞれの仕事が始まるのだけど、でもソーシャルネットワークだって、メールだってあるから、 みんなと連絡を取り続けることだって、また会う機会をつくることだってできるんだよね、なんて話す。 そういう意味で、本当に私たちは幸せな時代にいるんだなあ。 そんな風にして、私たちのフレスコ・ラビリンスのプロジェクトは終わりました。 #
by sakanatowani
| 2015-12-10 16:48
| フレスコ画 affresco
![]() さあ、そろそろみんなの絵も終わり。 どんどん足場がかたずけられます。オーナーのお客さんもチラホラ。 出来上がったみんなのフレスコ画を見て回ってます。 いろんなところから集まって、同じ場所でそれぞれの絵を描く。 楽しいなあ、こういうプロジェクト。 描いてる間はみんな自分のことに集中してバラバラだけど、集まればなんだかすぐにいろんなことを話せる人たち。 みんなそれぞれ、普段は自分の国で活動している人たち。 お互いに普段の仕事を知らないから、それぞれが持ってきた小さな作品集とかを見せあって、「普段のその人」を知るのも面白い。 ![]() みんなのフレスコもできました。モザイクがけでしか紹介できないのが残念です~。 Aはいつも、幾何学的な模様を室内の壁に描く仕事をしているそうだけど、Aの人柄を(1週間弱だけど)知ってから見る彼女のフレスコ 画は、まさに「彼女の、彼女らしい」仕事だってすごくわかる。 普段は風景画ばかり描いているというSは、「今描いてるのは、どちらかといえば自分の得意な絵柄じゃないんだよ」って言うけど、見せ てもらったいつも描いてる風景画に使われてるような、のびのびした筆使いが気持ちいい。 Frが師匠と一緒に描いているとき驚いたのは、地の色とは全く違った濃い色を、大胆に躊躇なく描いていくこと。私はそういうのは怖く てなかなかできないのだ。 「美大の教授に『線を引くときは躊躇しちゃいけない』っていつも言われてたから」って彼は笑ってたけど、それは彼が物の影の形を、 濃さの段階別に瞬時に捉えられる人だからだと思うんだ。それを聞いた師匠が「彼は彫刻家だからね。だから物を立体に見られるんだ。 本当にすごいよ。実は私はそれができないんだ。だからこういう絵を描いてるんだよ」って。 師匠の言葉を聞いて、内心私はホッとしてしまった。仲間だ~!って思ったから(笑)。私も物の立体感を平面に描くのが苦手なのだ。 そうなんです。実はFrは彫刻家。 彫刻家の目ってすごいなあ!! 同じものを見ていても、私とは違うふうに見えてるんだなあ。 NとVのカップルが描いたのは、きちんと絵を勉強してきた人の自信があるしっかりした仕事という感じ。 思わず「きれい!」と言ったらVに「当たり前だよ。プロだからね」と無表情に言われてしまった。あ、そりゃそうだ。ごめんなさ〜い。 実はFrも同じことを言ってしまったらしく、あとでふたりで「プロフェッショナルの中に、俺たちふたりだけおばかさんだね」って笑っ たんだけどね。 建築家のNと画家のV。モルドバ出身の彼らは、モルドバとルーマニア両国の身分証明書を持っているそうだ。 「私たちの住む場所柄『できるかな?』って試してみたら、もらえたのよ〜」Nがそう嬉しそうに話してた。 自分の国の形が変わる。宗教や文化が同じ、違う。変えたい、守りたい、変えようとする人がいる。そういう歴史をもつ国に住む人は、 自分のアイデンティティというものを常に意識して日々生きている。自分がやることの意味に対する意識や自信も違う。ただおしゃべり するだけでも、その意識の違いを端々に感じます。 自分のバックボーンや日常とは違う人と共通の興味を話題に話すだけでも、自分の知らなかった世界が見えてきて、世界のことも、自分 のことも、今までは違うベクトルで見るきっかけになるなあ。 Anの絵は、メキシコ人らしいモチーフと強い色使い。こういう自分には絶対描けない絵って、私にはすごく魅力的。 そして一足先に次のプロジェクトに旅立ってしまったG。シュールレアリズムの彼の絵はすごく面白い。共通の言葉があったら、もっと もっといっぱい話して聞きたいことが山のようにあったのになあ。 「どれどれ。君の絵を見に行こうか」師匠が私を促します。 「これは、ここに来て嬉しい気持ちを描いたもので・・・」絵の説明をすると、すごく気に入ってもらえたよう。 「すばらしいね、そういうものを、こんな形でかけるなんて!」 そう褒めてもらえました。 やっぱり嬉しいね。絵を褒められると♪ それに、もしかしたら誰かに絵を褒められるのは、10数年前に日本を出てから初めてかも♡ ![]() さあ、みんなで記念撮影♪ 今日はこれからみんなであるところに出かけます。だから今日は早じまい。 オーナーの家で、それぞれ身支度を整えましょう。 それで気づいたんだけど、こういう時って、男性の方が熱心で、おめかし時間がかかるのね。 Aはスカートも持ってきたからとそれに着替え、ささっと口紅をつけるぐらい。 私はといえば、作業着しか持ってこなかったから、せめてもと、日本からの移動中に着ていた作業着じゃない唯一のパンツに着替え、薄 く口紅を塗りっ。おしまい。 一方、男性陣。 Sは作業着からこざっぱりとした普段着に。「こんな服しか持って来てないんだよなあ」なんて心配そう。 「はい、はい。大丈夫。あなたはいつでもかっこいいよ」 な~んて励まして(からかって?)いる横で、いつの間にかさっさとシャワーを浴びてさっぱりしたRは、まさにお出かけ着にちゃっかり 着替え髪をなでつけ、コロンまで香らせている。 「ああ、全く。アーティストだと、男性の方が美意識が高いのかしらん」「ね〜 Aと私は彼らをからかいながらぼやいてみせる。 「さあ、もう出かけなきゃ、遅れちゃう。支度できた?」 オーナーの奥さんが様子を見に来る。せかせかと、早く行きたそう。 さあ、あとは・・・オーナーS。なんとまだシャワーに入っておめかし中・・・ 奥さんは扉の外から何度か彼を急かすように声をかけ、「さ、行きましょ。あの人はいつもこうなのよ」なんて、私たちを促しつつ、先に スタスタ駐車場に向かって歩き出す。 ああ、本当に男性というものは、支度に時間がかかるのだ・・・ ![]() さて、みんなで行ったのは、車で30分ぐらいの町であった師匠の個展。 会場は、この町の昔のお城、今の博物館になっているところ。 お城のグルリを囲む城壁の大きな門をくぐると、その中庭には罪人を捕まえておくんだか、そのあと首をはねるんだかの↑みたいなの もあって・・・。 その小さなお城の一角が、師匠の個展会場でした。 多分毎年ポーランドに来るたびに、こうやってどこかで個展をしているのでしょう。会場はファンの方でいっぱい。 師匠の絵は、誰もが思わずにっこりしてしまうもの。 ポーランドでも、こんなにたくさんの人が好きなんだね。 もうね、たっくさんの、特に女性ファンがいっぱいで、みんなが師匠を写真を撮ったりサインを欲しがったり。 師匠はそういうの恥ずかしいみたいで逃げてたけどね。ふふふ。 さあ、個展のあとは、再度フレスコ画の現場に戻って、パーティですよ〜! #
by sakanatowani
| 2015-12-03 16:43
| フレスコ画 affresco
![]() 今日も曇りで、結構肌寒い。 6月19日(金) 作業5日目、最終日。 今日でとうとうこのプロジェクトも最終日。 修復はもちろん終わらせるけど、できればその周りのところに、新しいものを描きたいなあ。 だって初日に「あれじゃあ切り取られた写真みたいだよ」って師匠に言われちゃったんだもん。まあ、ほんと、そうなんだよね。 あの時は、考えてああしたんだし、あれで精一杯だったんだけど、今なら何か描き加えられるんだと思うんだ。 でも何を? 朝食の席でその話をしていたら、Sがいいヒントをくれた。 そうだ、そうしよ~! あれならすぐにでも描ける。 まあ、でもまずは、あの修復を終えないと。 今日もみんなで車に分かれて現場に出発。 誰がどの車に乗るかは、あらかじめドライバー同士で決めてるみたい。出かけるたびに毎回ドライバーから指名されるのだ。どういう基準? 最近、私とSとAはいつも一緒の車。 そしてなぜかこの3人が一緒になると、もうつまらない些細なことでもおかしくて、そこからまた冗談が次々と出てきて、ゲラゲラ、ゲラゲラ、 お腹を抱えて笑い通しになる。疲れすぎてナチュラル・ハイ? すごく楽しい組み合わせ。 そうそう、このフレスコの現場近くのおうちで、なんとラクダを飼ってるんだって! 毎朝通るたびにみんなで目を凝らして、何回かは見られたよ。 こんな寒いところで、ラクダは元気にしていられるのかなあ。 ![]() さて、今日はさっさと修復を終わらせないとね。 だから朝いちばんで職人さんのところに飛んで行き、すぐに漆喰を塗ってもらいます。 ・・・ってジェスチャーで頼んで、待ち時間をまたぶらぶらしてたら、職人さんがやってきた。 何か聞いてるんだけど、私にはわからない。 すると、今度は通訳Rを連れてきた。。 「これ、両方いっぺんに塗っちゃっていいの?って聞いてるよ」 ああ、そうか!午前中のジョルナータの予定を聞いてくれてるんだね。今までいつも、1度に1か所だけ塗ってもらってたものね。 「うん、大丈夫。両方一緒にお願いします~」 ってやってたら、師匠が様子を見に来たよ。 「ありゃ、(古い漆喰を)顔のところも削っちゃったのか。そういう細かい形だと、ここの職人たちはうまく塗れないよ」という。 (ふふふ、大丈夫なんですよ、この人なら)って思っているうちに、職人さんが顔を塗り終わる。 「うわ~。すばらしいね。こんなにいい仕事、ここで見たことがないよ!!」 師匠もすごくびっくりしてる。 この職人さん、本当に上手で丁寧。フレスコ画がどういう手順で進めていくかもわかってくれているから、こちらもすごく安心できる。 今回は自分で漆喰を塗らず、お任せして本当によかったな。 ![]() ここの足場はこんなにコンパクト。 新しく漆喰を塗った部分は、昨日まで描いていた壁と同じ要領。 4年前のことをちょっと思い出しながら、楽しく再び描いていきます。 ![]() ![]() 新たに漆喰を塗らないで上から色を重ねていく部分は、汚れの色をカバーするために、まず水に石灰を多めに溶いた上澄みのラッテ・ディ・ カルチョ(latte di calcio 直訳で石灰のミルク)で下地作り。 こうすれば、透明感のあるフレスコ画の技法でも、下の汚れの色が目立ちません。 この上から新たに、今度はラッテ・ディ・カルチョよりも石灰を少なめに溶いた上澄みのアックア・ディ・カルチョ(acqua di calcio 直 訳で石灰の水)に顔料を溶いて絵を描いていきます。 こうやって、すでに乾いた絵の上から描くときは、新しい顔料を包み込んで定着させるために、通常のフレスコ画の原理である湿った漆喰 中の石灰の定着剤の代わりに、顔料を直に溶く水の中の石灰を使うわけです。 ![]() さあ、そんなことをしていたら、いつの間にかお昼ご飯の時間。 今日のメニューは、野菜いっぱい具沢山スープと、ミラネーゼみたいなカツレツに茹でたジャガイモとサラダの付け合わせ。 珍しく側に座った師匠が「イタリアでは”どんなものでもミネストラに”っていうけど、ポーランドは”どんなものでもスープに”だね」って ニコニコ ふふふ、イタリア人の師匠らしい。 私には、ミネストラもスープもそんなに違いがないように思えるんだけど・・・。でも考えてみたら、イタリア語にもスープに当たるズッパ (zuppa)っていう言葉がある。 調べてみたらミネストラは、お米や麦、小さなパスタなどを入れたスープのことなんだって。ちなみにミネストローネは、野菜などがたっぷり入って、小 さいパスタやお米なども一緒になったスープ。今まであんまり考えないで2つの言葉を使ってたなあ。 私が(似たようなものだと)何も考えないで食べていたスープでも、イタリア人の師匠には、これはスープ、あれはミネストラって、当たり 前に全く違うものなんだ。面白いね。 日本人にとっての、けんちん汁と豚汁の関係って感じかなあ。あ、でも、けんちん汁は味噌味じゃないか。何かあるかな?日本食でこの関係に似たもの。 ![]() お昼ご飯で満たされたお腹を抱え、落ち着いて最後のチェック。 顔がね、なんだか前と違う・・・。今回はカルトーネを作らなかったからね。表情がなんとなく違うのだ。 でもまあ、これは2015年版の表情ってことで。適当すぎ? でも今回もちゃんと表情のことは考えたよ。今の気持ちが表情にも反映するのかも。 よし、これでいいかな。 う~んそれにしても、稚拙な絵だなあ。もうちょっとなんとかできなかったのかしらん。 ああもできる。こうもできる。いろんなアイディアが浮かんでくる。 だけどあの時は、あの時なりの自分の精一杯を描いたんだよね。 今こう思うのは、この4年で自分が成長したからだと思おう。これは4年前の私の記念品。 ほんとはこの周りに新たに描き足して、昔の私と今の私の合作をつくりたかったんだけど・・・でも今日はどうやら時間切れ。 お昼過ぎ。今日はもう店じまいにしないといけないみたい。 残念。 もう一度、ここに来られたら描き足したいなあ。 この4年続けられてきたこのプロジェクトは、今年で最後だそう。でも、個人的にまたここに来て、さらに描き足せるようにできたらいい。ね。 ![]() #
by sakanatowani
| 2015-11-29 11:48
| フレスコ画 affresco
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