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   ダサかわいいイタリア
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     今さらのクリスマス時期の話題ですみません。でも・・・

     見て、見て、この写真!このクリスマス・シーズンに見た、工事現場の足場です。
     足場に星! 初めて見たよ、こんなの(笑)たぶん、この足場のとこにあるお店が、星をつけたんだと思うけど。

     世界中の人から、“おしゃれ”とか、“洗練されたデザインの”っていうイメージを持たれてるこの国に住んで、
     「やっぱり素敵なんだろうな~」「洗練されてておしゃれ!」って声を聞くたびに、「その“おしゃれなイタリア”って
     どこにあるの?」と思ってしまうのが実は本音。
     だって、たま~に見るこじゃれたものだから写真に撮るわけだし、日本のクリスマスのライトアップの方が
     ずっとおしゃれで、洗練されてるのは知ってるから。

     実際は、↑のようなクリスマス・デコレーションを見て、「もうすぐクリスマスね♪」って心踊らせる生活なんですよ。

     そうなの。“ライトアップ”じゃなくて“クリスマス・デコレーション”。それがイタリア。
     今回は、そんな“ふつうのイタリアのクリスマス”を撮ってみました。

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大晦日に食べる習慣のレンズ豆の袋にもダサかわいいサンタさん♪

     この年末年始に、以前イタリアに住んでいた方と話していて、「イタリアらしいクリスマスって、ダサかわいい
     ところなんじゃない?」って話になりました。

     イタリアってね、娯楽が本当に少ないし、何かあってもエンターテイメント性に欠けるんです。動物園も遊園地も、
     デパートさえも、どこにでもあるわけじゃない。
     そしていろんなものが、なんかいつもこうあか抜けない。
     「ああ、昔、子どものころにこういうものあったな~」っていう、まさに昭和を感じさせるデザインのものばかり。
     いや、イタリアに昭和はないから、さしずめ70年代風?
     そうなるとやっぱり、「世界の人が想像してるイタリアってどこにあるの?」となるわけです。

     イタリアも、他のヨーロッパの国と同様、階級社会。
     日本の雑誌で見るスタイリッシュなイタリアは、きっとそういう階級の人の生活の中にあるのです。たぶんね。
     デパートも、ミラノやローマにならあるのです。
     でも一般の人の生活は、もっと別のもので彩られてるんだなあと、今回あらためて思ったのでした。

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薬剤師さんたちがつくったのかな、と微笑ましい薬屋さんのウインドーの紙のツリー。

     クリスマスが近づいて、パン屋さんのウインドーに置かれてるパンの間に、薬屋さんのウインドーの薬の箱たちの間に、
     ちょろりときらきらモールが飾られる。
     バールのテラス席のテーブルに、クリスマスカラーのテーブルクロスがかけられる。
     日本でいう町内会にあたるものが、その町内のちっちゃな商店街の通りに、毎年変わらないシンプルな灯りの
     デコレーションを飾る。

     それらはけっしてスタイリッシュでも、友達を誘ってわざわざ見に行こうという種類のものでもありません。
     でもね、毎日の買い物の時、通勤の時、バールにちょっと寄った時、そういうのを目にして、「ああ、今年もクリスマスが
     来たな」って感じるのです。

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バールのウインドーも、コーラの広告の下にはプレゼーピオ

     アパートの建物の入り口や、友達の家に飾られたプレゼーピオを見て、「この週末に飾ったのよ。今年は、この羊飼いの
     男の子とガチョウを連れた女性を新しく買ったの」なんて会話をする。
     そういう家庭の中、友人知人の輪の中でのお祝いの飾り。それが、イタリアらしいクリスマス。

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バールのクロスもクリスマス

     町が、市が、そして有名ブランド店が、消費者にアピールしたり、人々の足を向けさせて、その場を活性化しよう
     という考え自体が、ここにはあまりない気がします。クリスマスは宗教的な意味合いのお祝いだし。
     それはクリスマスに限ったことじゃなくて。

     自分達のふだんの暮らしの中の単位が、家族、知人、大きくても日本でいう町内会の大きさ。
     その中で物事を考えるのが、イタリア。
     この街は観光地でもないから、よけいその傾向が顕著だとも思います。
     そして、住めば住むほど、それがこの国、この国の人なんだなあと感じるのです。

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パン屋さんも靴の修理屋さんもクリスマス・デコレーション

     新しい物がどんどん生まれ、変化を楽しみ、外へ外へと目を向けるのも当たり前の私たち。それは決してネガティブなことじゃなく、
      ここにいると逆に、日本は新しいものと伝統を、うまい具合に両方もち続けてるとすごく感じます。

     でもイタリアでは、もう何十年も何百年も楽しみ方は変わらない。
     それは私たちにとっては、子どものころ見た物や風景であり、あか抜けないけど、それが逆にかわいいと感じるもの。
     それがイタリアらしいとこなんじゃないかな。
     そしてそんなものを求めて、世界中から人が訪れる。
     いつ来ても、何度来ても、変わらずにそれはここにあって、体験できるのだから。

     オランダ人の知人が言っていました。「そういう懐かしさを感じるものがあるから、僕たちはイタリアに旅行に
     行きたいって思うんだよ」って。「だから逆に、そこに住むのは大変だと思う」とつけ加えたのは、また別のお話。

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     ここに何度も登場している、我が家の裏のお家のクリスマス・デコレーション。
     実は彼ら、このデコレーションをイースターが終わるまでははずしません。
     今までいろんな家に住んできたけど、こういうご近所さんは初めて。

     あたりが暗いうち、朝は8時過ぎまで、夜は暗くなった6時頃から、このデコレーションはピカピカしてます。
     クリスマス・シーズンの終わる1月6日の公現節の祝日(イエス様のところに東方の三賢者が着いた日)であり、
     ベファーナという魔女が子どものところにお菓子を持ってくるという日以降は、そんなにこまめにつけられなく
     なってしまったけれど、このピカピカを見るのが、この時期の私の小さなお楽しみ。

     だからね、元旦から数日、大晦日のパーティ明けの寝坊なのか、2日からの仕事始めにおおわらわだったのか、
     朝起きた時にこのデコレーションがついていなかった日、なんだかとっても寂しかったのです。
     今でもついてると嬉しいし、ついてないと「なんでかな」と思ってしまう。

     キッチュだと言われても、このダサかわいさ、それを日々の楽しみにするのがイタリアのよさなのでしょう。
by sakanatowani | 2014-01-19 20:09 | おお、イタリア!
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