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   ショーペロ Sciopero
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右下にあるのが、バス停につけられたストを知らせる看板。

     「ここで生活していく上で、いちばん知っていなければいけない言葉よ037.gif」と、イタリア人の先生が言った言葉。
     それがショーペロ。意味は、ストライキ。
     私がイタリア語を習ったペルージャ外国人大学で、イタリア語の基礎を学ぶ2コースが終わったあと、
     語学の授業の他に始まるのが“生活“の授業。その最初の授業のことでした。

     イタリアではストライキは日常茶飯事。
     いろんな種類のストがありますが、特に日々関係してくるのが、バスや地下鉄、電車のスト。
     市の公共交通機関のスト、ゼネストとあわせて、だいたい月1、2回はあるでしょうか。

     この街の場合、行なわれるのはたいてい金曜日。
     基本的に日曜日はお店が閉まるから、食料買い出しの日である土曜日は避けて、仕事や日常生活に差し支えのあまりない日を
     選ぶと金曜日。そんな理由のよう。
     そして24時間スト中でも、朝6〜9時と昼12〜15時は、バス・地下鉄とも走ることになっています。
     (この時間の間、双方向とも始発のバス停から発車し、それが終点のバス停に着くまでは走ります。つまり、ルートの長短に
     よって、まったくバスが走らない時間帯は変わります)

     ストは各労働組合がそれぞれに行なうので、ストを行なわない組合に所属する人はもちろん仕事をするわけで、この街の場合、
     ストがあっても待つ覚悟があれば、何らかのバスは走っています。同じバス会社内で、個人によって属する労働組合が違うのです。
     ただし、ふだんでもバスは15〜20分間隔(と言いつつ、20分以上間隔で走ってる)のですから、ストの最中なら、30、40分
     以上は待つ覚悟は必要です。

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ストのお知らせ。いつ行なわれるのか、どの労働組合のストなのか。スト中のバスが走る時間が明記されています。

     ストのお知らせは、基本的には各バス停やバスの中に、張り紙をして知らされます。
     工事などによるバスルートの変更も、同様にバスの中の張り紙で知らされるので、バスに乗ったらまず車内をじろりと
     眺めて、張り紙があったら隅から隅まで読むのが大事。
     だってストのお知らせは、必ずしも各バス停、各車内にあるとは限らないのです。そんな徹底したお仕事、この国では期待してはいけません。
       またいたずらで外されたり持ち逃げされたりもあるのです。

     バス会社のサイトには載っているのですが、そんなにこまめにチェックなんてしてられません。
     だからストを知らずに延々バスを待つはめに陥ることも。008.gif

     そしてこのスト、夏のバカンスやクリスマスのお休み時期には行なわれません。
     ストをやる側も、バカンスをとるからでしょう。
     その間の分のストは、バカンス時期の前後に振り分けて行なわれます。
     つまり、7月の最初の半月と9月の初(7月後半〜8月はバカンス・シーズン)やクリスマス前の今の時期は、通常よりも
     頻繁にストがあるわけです。

     今年も9月の第1週にストがあり、友人と声を揃えて「ストが始まったってことは、夏のバカンス・シーズンも終わったって
     ことね」って言っちゃって、笑ったことが。
     もちろんバカンス・シーズンは、人手が減るので(バス会社は乗客が減るからというでしょうけど)バスは間引き運転。
     30分に1本あるぐらい。でもとりあえずバスは走ってる。
     だからここでは、バスが走らない(=スト)のに、休暇のシーズンが終わったって思うおかしな状態になっちゃうのです。

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お知らせは、バスの真ん中あたりの窓に直接ペタリと貼られてます。臨時のルート変更のお知らせもここ。

     こんなに日常的な行事となってるスト。でもこれで何かが改善されてるかというと、たぶん×。
     何も変わっていないのではないでしょうか。021.gif
     だから何度も行なわれる→でも変わらないから、とにかく自分たちの生活にあまり支障がない日にストを行なう
     →そんなストの本来の意味を失ったようなやり方だからか、ただでさえ手強い上(政府など)には伝わらないのか、
     結局何も変わらない。そんな悪循環。

     ところが先週1週間は、街のあちこちで政府に対する不満のデモがあり、毎日それにあわせてバスやトラム(路面電車)
     のルートが変則的にどんどん変わり、混乱の毎日でした。
     突然、あるバス停でバスが止まり、「ここから(通常のルートを外れて)曲がるから、みんな下りて」と言われ、
     乗客みんなそろって降ろされるのです。

     ふだんでも、頻繁な車体の故障のため、同様に突然降ろされてしまうこと度々。
     まして今回は人が歩いて移動するデモですから、車両通行止めにする道も、刻々と変わります。
     今ではこういうのにも慣れましたが、来た頃は、知らない場所で突然降ろされても、そこがどこか、どのバスに乗ったら
     目的地に行けるのかもわからないため、外出する時はいつも市内地図とバスルート・マップを携帯していました。
     そして地図を広げてたどたどしい言葉で、「今、どこにいるんですか?」「何に乗ったらいいんでしょう?」って、周りの人に聞くのです(汗)

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     さてこの毎日続いた市内デモ。この街だけのことなのか、全国的に行なわれているのか。
     (たぶん後者。いろいろな事情から、もうニュースも見なくなってしまったのでわかりませぬ)。

     公共交通機関のストがあった先々週の木曜、12月5日、たまたまバスが走る時間帯に市場の近くにいたので、
     「これはラッキー♪」と市場に寄りました。
     帰りのバスを延々と待ちながら、聞こえてきたのは見知らぬおばさん同士のバス待ち中のおしゃべり。
     「バスが走るって時間になっても、なかなか来ないわね」
     「しょうがないわよ。ストだもの」
     「この市場も、昨日と一昨日、ストでほとんどの店が来なかったみたいよ」この市場のお店は屋台式
     「ああ、だからね。いつもより野菜も果物も、全体的に高かったわ」
     「ストで売れなかったから、その分、値段を上乗せしたわけね」
     「でも何も変わらないでしょうよ。ストをしたって何も変わらない」
     「残念ながらそうでしょうね〜」

     一方、私が週1回日本語を教えている語学学校のフランス人の事務員の女性はこう言っていました。
     「今度は何か変わるといいわね。家の近所のお店も(デモの意味で)閉めているほど、いつもとは違ったデモだから。
      こんな状態じゃ、イタリア人がかわいそうすぎるものね。本当にこの国ではあらゆる機関が機能してません
      でもイタリア人はストやデモを頻繁にするけど、日常生活に支障のないようにしかやらないわね。
      フランスではね、農家はジャガイモなどを道にばらまいて、道路も通れないようにする。
      国の機能が完全に麻痺するように、みんなで徹底的に行なうのよ」って。

     この語学学校の学長もフランス人。
     その人が以前「今回の(イタリアの)ゼネストには参加しないけど、私たちがストに参加する時は、誇りを持って参加して、
     徹底的にするわよ!」って、顔を輝かして言っていたのを覚えています。
     ストの話題に“誇り“という言葉が出るんだ〜。フランス革命を行なったフランス人らしいな〜。
     同じラテン系の国でも、イタリアとフランス、国民の考え方はずいぶん違うんだなあ・・・と、またまた違ったスト感の日本から
     来た私は思うのです。
     
     そしてこの月曜日、16日にも市内交通機関のストが行なわれます。
     もうクリスマスの週も間近。
     こんなふうに、ストとデモでイタリアの12月は過ぎていっています。056.gif

      
by sakanatowani | 2013-12-15 22:21 | おお、イタリア!
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