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   短い嵐(ポーランドにフレスコ画を描きに行く14)
     5月13日(金)

     この日も朝マチェックがホテルまで来て、みんなで一緒に朝食を食べ、7時半に出発。
     スタンの家に着く前に、村唯一のお店で、それぞれのお買い物もすませて。

     このホテルから作業現場までの道の曲り角に、マリア像や金属でつくった十字架がありました。
     イタリアでも、街角や家の軒先きに、小さな祠に入ったマリア像や聖母子像がありますが、
     ここポーランドでは、それらはどれもが色とりどりのリボンや花で、それはもう見事に美しく
     飾られているのが印象的でした。
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宗教関係のものを写真に撮るのをためらってしまいます。だからあやふやな記憶からの作画ですが^^;

     クロード・ルルーシュ監督の『愛と哀しみのボレロ』という映画を見たことがありますか?
     映画の中で、戦争未亡人になったバレリーナが、ロシア軍兵士のために、民族舞踊を踊るシーンがあります。
     その時彼女の髪飾りになっていたたくさんのリボン。
     それが、このポーランドで見た十字架や聖母子像の飾りのリボンによく似ていたのに、後日気づきました。
     スラブ文化に共通する飾りなのかな。

     夕方、私たちが疲れ果ててホテルに戻る時、その十字架の前で、いつも数人の人がお祈りをしているのを、
     車から何度か見かけました。

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     8時過ぎに作業現場に到着。今日も快晴!

     さて、この日の作業は、小さいスペースながら、絵がちょっと複雑な部分です。
     本当なら、絵の左上から右へ、そして下段左下から右へ描いていくのが、絵を汚すリスクの少ない描き方の
     原則なのですが、フレスコ画制作に慣れることと、その日の作業時間を見ながらの制作で、
     こんなまん中スペースができてしまいました。
     まあ、そこは自己責任ということで^^;

     いつも通り、まず、漆喰を塗る部分に水をかけてしばらく待ち、それから漆喰塗り。
     漆喰はこのように、前日に絵を描いて余分を削った部分に密着させるように塗っていきます。

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     「おはよ〜う♪」スタンがやってきました。
     持っていたお皿を私の作業台に置いて、「Special for you. アレルギーにいいからね。手を見せてごらん」
     前日からの日光アレルギーでパンパンにふくらんだ私の両腕を、スタンはこうやって毎朝、様子を見てくれました。

     このアレルギー、この日ぐらいから、今度は直径1㎜以下の小さな水膨れがびっしりできてきたので、
     アレルギーを持っていない人たちはこわごわ見ていたけれど、かゆみが少しあるぐらいで痛くもなく、
     見かけ以外は、特に不快感を伴うものではありませんでした。
     両腕がもとの太さに戻ったのは1週間後だったかな。それまでは、ちょっとぽっちゃりちゃん気分でした(笑)
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     スタンが持ってきてくれたチーズは、お隣の酪農家アジャの手作り。
     先日一緒に航空写真に写った牛か、その仲間の牛のミルクでつくられているんですね。
     リコッタチーズのようでしたが、もっと水分がなく、しっかりした感じ。
     淡白な味の中に、かすかに牛の香りのするチーズで、はちみつをかけて食べてもおいしかったです。

     このチーズ、アレルギーにもいいということで、この日から、スタンのところで食事する時はいつも
     「It's special for you」と、私の前にはこのチーズが置かれるようになりました^^
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     制作のほうも先がみえてきたので、今日はちょっとのんびり気分。
     「お茶の時間だよ」と声をかけても戻ってこないわがままな私たちのために、
     いつからか作業場の横につくられたお茶コーナー。
     ここでこのチーズを食べながら、コーヒーを飲んで、みんなの作業をぼ〜っと眺めていました。
     ああ、穏やかな時間だな〜。


     そうしたら、あらら・・・空がずいぶん暗く、風も強くなってきたなと思っていたら、その後いきなり
     ザーッというものすごい雨!
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     きれいに色が並べられたジーザスのパレットも、一瞬にして雨でぐちゃぐちゃ。
     強い風と雨でテントも吹き飛ばされながら、とにかく絵にカバーをして、
     いったん食事小屋まで避難することに。

     幸い嵐は短時間でさり、雨もやんできたので、わりとすぐに仕事再開。
     この雨のあと、気温がぐ〜っと下がって、涼しくなりました。

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     さあ、今日のお昼は、スープとポークのグリルにじゃがいもとビーツの付け合わせ。
     とにかくね、毎回量が多いのです。ポーランドの人は、ものすご〜く食べますよ〜。
     ここに住んでいるラウルは、友人のところに招かれると、もうお腹がはじけるぐらいのごはんが出てきて、
     みんなはそれを軽々と食べちゃうんだよ、と話してくれました。


d0165762_2114214.gifそしてね、ここでは、スープを食べて話し込んでると、後ろでおばちゃんがこんなふうに、
セコンドのお皿を持って待っている(笑)

「食事になかなか来ないわね、あの子たち!もう!」
「おいしいかしら。もっと食べなさいね」
「ほらほらおしゃべりに夢中になってないで、ちゃんと食べなさいよ」

残念ながらお互いの共通語がないのでおしゃべりはできなかったけれど、
おばちゃんたちは始終こんなふうに、まるで親戚のおばさんたちのように私たちの
お世話をしてくれて、いつも楽しい雰囲気でした。

     この日の午後、洗面所を借りにスタンのお家に入ったら、ラウルが室内で作業をしていました。
     なんとなく、今どんな絵を描いているのか(お互いに、何を描いているかは知らないのです)とか、
     彼の他の作品を見せてもらったりとおしゃべりに花を咲かせていたら、私を見つけたアジャがすかさず
     「さかな、さかな」と私を呼んで、パンにハムとラードを混ぜたペーストのようなものを塗った
     おやつのお皿を渡してくれました。もちろんラウルのそばにもすでに、そのお皿がありましたよ^^

     こんなふうに誰かにお世話してもらうなんて、何年ぶりだろう(笑)

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     さあ、今日の作業はここでおしまい。
     夕方5時半頃には終わりました。

     この日はこのあと、すてきなことが待っていました。
     
     (つづきます)
by sakanatowani | 2011-08-04 02:36 | フレスコ画 affresco
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