おっ、腕が!と、海の上の午後(ポーランドにフレスコ画を描きに行く12)
     先日は、あのまますぐシャワーを浴びて、無事、腹の虫を押さえつけて眠ることに成功!やった!^^

     5月12日(木)
     朝7時。携帯の目覚ましで目を覚まし、スタンと一緒に、1階と2階をつなぐ、床部分だけが上下に稼動する
     エレベーターで階下へおりる。
     ふふふ、不思議なお家だわ。
     2階には、猪の敷物があり(頭と爪つき)、その横には、さも当たり前のように、毛皮のコートが広げて
     敷かれていたのは、男性陣には内緒。あとでイヴォーナに話そう^^

     おはよう、みんな〜。
     夕べ、かなり酔っぱらっていたアレハンドロも元気に起きているようだし、今日中に仕上げないといけない
     シルベスターは、朝6時に起きて、もう一仕事すませてきたらしい。

     朝食の席で、スタンに相談する。「あのね、私の腕、こんなになっちゃってんだけど・・・」
     一目見るなりスタンは言う「ああ、これはアレルギーだね。典型的な症状だよ」

     ああ、やっぱりアレルギーか。
     実は昨日ヘリコプターを待ってる時から変だな〜と思ってたんだけど、両腕ともがかなり腫れていて、
     手をグーにするのもやっと。
     スタンは同じような症状に、蚊に刺されてなったことがあると言っていたけど、私の場合は日光だろう。
     袖から外に出ている部分が手の先まで、みごとに腫れているから。
     もともと日光で湿疹はできてたけど、こんなに腫れたのは初めてだ。
d0165762_1351785.gif

ぷくぷくの赤ちゃんの手みたいになった私の腕(いつもはこうじゃありません^^;)

     ああ、とうとう日光にもアレルギーが出たか。
     この数年、どんどんといろいろなものに対するアレルギーが出てきている。

     それにしても、私はラッキーだ。
     だってスタンは元お医者さん。彼がアレルギーだと診断したら、そうなんだろう。じゃあ安心。
     アレルギーなら、いつも持っている抗ヒスタミン剤を飲んで、あとはこれ以上日光を浴びないようにして、
     あとはアレルゲンが身体の外に出るのを気長に待つだけだ。

     さて、今日も早朝からお仕事。
     今日は午後から、とあるギャラリーでやるミニコンサートに、アダムが私たちを連れていきたいとのこと。
     彼の娘さんがピアノを担当するのだ。
     そのために、ほぼ午前中だけの作業になりそう。
     なので、今日のジョルナータは、本当に簡単にできるところにした。

     昨日、最後の最後になって修正した顔の部分、ちょっと黒っぽいかな〜。
     でももう修正もきかないんだけど。
d0165762_1355935.gif

     ピグメントがうまく定着しない髪の部分のことをジーザスに相談すると、今からでも、石灰の上澄み液の
     スプレーをするといいよ、とのアドバイス。
     どうかうまくくっつきますように、と願いを込めて、シュ〜シュ〜とスプレーする。
     もしどんどんはがれてきちゃったらこの女の子、1年後には、金髪になってそうだもんね(笑)

     今日は時間がないので、ミキサーで撹拌したみんなの漆喰を使うことにする。
     (「でも僕たちの漆喰がベストだ!」とジーザスはにやりとしたけどね)

     あれ?ものすごくやわらかい!水っぽいっていうのかな?
     そうか、これだから、私が初日にアドバイスされたけどできなかった筆のお尻で下書きを写すってことが、
     みんなにはできたのか〜。

     ふと横を見ると、シルベスターの手伝いで漆喰を塗っているマチェックの動きが、
     今まで私がやっていたのとは全然違う。
     体全体で、上下ではなく左右に、漆喰を平らにしている。
     これも、この(漆喰の)柔らかさだからできることだ。
     今日はこのやり方も取り入れて、ひと塗りめとふた塗りめのパレットの継ぎ目の部分の漆喰も、
     平らにしていくのを目標にしよう。
d0165762_1362632.gif

     お昼前に、イヴォーナたちがやってきた。
     「さかな〜、おはよう。夕べはどこに泊まったの?」

     イヴォーナに、スタンのお家の2階の様子を話したり、夕べは私も隣室の人もいなくて、
     彼女は心置きなくリラックスして眠れたという話を聞いたりして、ひとしきりおしゃべり。

     そしたらラウルが私のところに来て、「さかなは午後も作業したい?」と聞く。
     よく聞いてみると、私たちの作業の進行具合を見て、日曜日のオープニングまでに終わるのだろうかと、
     スタンが心配しているらしい。
     え?!オープニングなんてあるんだ!それも初耳〜^^;
     だから彼からアダムに、今日の午後も作業に残らせてもらえないかと話をするというのだ。
     もちろん私は残って作業したい。
     よかった〜^^。ここにいるのが楽しくてたまらないのだ。ごめんね、アダムの娘ちゃん。
d0165762_1365836.gif

     昼食後、イヴォーナ、アレハンドロ、アダムとアーシャは、コンサートへと出かけていった。
     残った私、ジーザス、ラウルは作業の続きだ。

     フレスコ画のジョルナータは、左上から右へ、そして下段左から右へ描いていくのがルール。
     こうすると、絵の具が下にたれても、最終的に残る画面には影響がないからだ。
     でも今日の場合は、ちょっとそのルールをやぶって、短時間で終わりそうな右端に移動する。
     もちろん、師匠のジーザスには了解を得た^^
d0165762_1372678.gif

     3人ともそれぞれが、自分の作業だけに黙々と取り組んでいる。
     聞こえるのは、バタバタと風に鳴るテントの天井だけ。
     ああ、幸せな時間だ。これがジーザスのいうモメント・ドーロ、至福の時なんだな。

     バタバタと鳴るテントの音を聞きながら、ただ黙々とパレットで漆喰を塗り、筆を走らせる。
     何も考えない。ただ目の前の作業に集中する。
     ふとした瞬間、自分が海の上にいるような気になった。

     大学時代、私はヨット部だった。
     みそっかすで、たまにしか海には出られなかったけれど、海の上で休憩する時、シバー(帆に風を
     はらませないでおく状態)にしたヨットの帆が、バタバタと風に鳴り、まわりは広い海。
     他には何も聞こえない。そんな状態になる。
     今ここで絵を描いていて、その海の上にいた時と同じ気持ちになった。

     目ではたしかにフレスコ画の壁を見て作業しているのに、自分のまわりが海になってしまったよう。
     海の上で私は絵を描いていた。

d0165762_1375583.gif

     さすがに今日はホテルでゆっくりしたいからと、夜7時頃に作業場からホテルに帰る。
     ホテルに戻ってシャワーを浴びて、ジーザスはここに住む友人に会いに出かけ、
     私たちはイヴォーナたちと一緒に夕食。
     部屋に戻ってからも、イヴォーナとは、今日彼女が行ったコンサートのこと、彼女の絵のこと、
     アーティストとはなど、興味深い話がつきなかった。

     今日はすごく穏やかな1日だった。
     明日はまた7時半ホテル出発。おやすみなさい。

     (つづきます)
by sakanatowani | 2011-07-08 04:17 | フレスコ画 affresco
<<    これからの1年・・・    フルーツ天国!だがしかし・・・ >>