ヘリコプターが、来た!(ポーランドにフレスコ画を描きに行く10)
     アフリカ大陸からの熱風が来ていて、連日37度越えと言われてます。そして今日の湿度は74%。ひ〜!
     今朝、新しい滞在許可証を受け取ってきました。いつもは待ち時間6時間なのに、今朝は2時間半!やった!^^
     これで春まで滞在許可証のこと考えないでいいんだわ。ルンルン♪


     本当に不思議なんだけど、あんなに毎日クタクタになってホテルに戻るのに、毎晩すぐには眠れなかった。
     毎晩夜中の1時ぐらいまで、天井にうつるブラインドの影を見ながら、楽しい気持ちで過ごしていた。

     夕べもそうして過ごしていたら、突然イヴォーナのいびきがやみ、「くく〜、くく〜」という寝言が
     聞こえてきた。
     クク〜というのは、ヨーロッパでは(他のところでも?)鳩や鳥の鳴き声。
     ほんとに天真爛漫な人だなあ。クスクス笑いが込み上げてきて、しばらく寝られなかったよ。
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     5月11日(水)朝6時半。携帯の目覚ましですぐ起きる。

     よかった。イヴォーナはまだ寝てる。
     彼女、初日に「私、寝るのがすご〜く好きなの。だから起きられないのよ。毎朝起こしてね」と
     言ってたけど、私の目覚ましが鳴っても気づかない。ほんとに寝るのが好きなんだな〜(笑)。
     彼女を見ていると、本当にほのぼのした気持ちになる。

     今朝はマチェックがホテルまで来て一緒に朝食を食べてから、ジーザスの運転で、マチェックが道のガイド、
     そしてアレハンドロとラウルと私で、7時半にホテルを出発。
     実はジーザスの免許はメキシコのもの。だからここでは運転できないはず。
     でも今日は運転手になる人がほかにいないのだ。
     外国人ばかり乗ってる車だし(「しかもメキシコ人とアジア人という怪しいメンバー」とみんなで笑ってた)、
     これはつかまったら大変と、ジーザスは作業着ではなく、襟のついたきちんとしたシャツを着ている^^。

     ポーランド語を話すラウルとマチェックはもうずいぶん仲良しになったみたいだし、マチェックは、
     いろいろな言葉をスペイン語や英語でなんというかに興味津々だしで、車の中はとっても賑やか。
     なんだか遠足に行くみたい。

     スタンの家につく前に、マチェックがお店に寄りたいという。
     それはたぶん、村に1件のお店。雑貨屋さんだ。
     そこでマチェックはタバコを買い、ジーザスはずっと飲みたい飲みたいと言っていたコーラを買う。

     さあ、スタンの家についた。彼はいつも私たちを、ちょっと大袈裟な身ぶりとハグとキスで向かえてくれる。
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     今日の作業は、昨日したことと同じことをすればいい。
     まずは漆喰づくり。
     砂がもうなかったので、マチェックに新しいきれいな砂をふるいにかけてもらう。

     砂と水につけておいた石灰をよくよく混ぜたら、しばらくそれをおいて馴染ませる。
     その間に、今日のジョルナータの部分を水で湿らせて準備。
     今日はまだ8時過ぎだから、大きめのジョルナータでも、夕方までに終わらせられるかな。

     さて、漆喰を塗りはじめるぞ。
     今日の目標は、全体に滑らかな表面に仕上げること。昨日、色つけをしてみて大事だなと思ったから。
     と、漆喰のバケツを傍らに、パレットに漆喰をもって、はたと気がついた。
     なんだか気持ちがすご〜く楽。ただ楽しい〜。
     すごく気持ちに余裕ができたみたい。
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     とはいえ、左官作業はなかなか難しい。
     表面にデコボコはできちゃうけど、今日は滑らかな表面づくりだけに集中して、しっかりしっかりやっていく。

     今日のジョルナータは大きいので、途中で今朝つくった漆喰がなくなっちゃった。
     ジーザスのあまった漆喰をもらうことにする。
     ところがなんだか色合いが違う。ジーザスの漆喰の方が色が濃いのだ。
     もしかしたら私、石灰の量を数え間違えたかなあ・・・まあ、いいや^^;
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     漆喰の上に下絵をうつして、昨日と同様、右側の空を色つけしていく。
     どういう筆運びで塗るかは昨日やってみてもう決まっているので、今日は気分的にもずっと楽だ。

     ルンルンルン♪とやっていると、イヴォーナ、アダム、そしてアダムの恋人であり、この数日だけ
     参加して描いていくという女医さんのアーシャが来た。

     「わ〜い、イヴォーナ〜。おはよう〜!今朝はゆっくり寝られた?夕べあなた、クク〜、クク〜って
     鳴いてたよ」とイヴォーナに言うと、彼女は「あら〜!夢で鳥になってたのかな〜。私、本当にいろんな
     夢を見るのよ〜」と笑った。
     そしてふと、「ねえ、さかな。サングラスしてて、よく色が見えるわね」と、私に聞く。

     うわっ、ほんとだ!
     私、暑さばかり気になってて、昨日からサングラスしたまま絵を描いてたよ!
     昨日の部分を見ても、特に色が変ではないからよかったけど、でもサングラスをして見た方が、
     コントラストが強く見えるみたい。
     昨日筆のあとを残しながら描いたつもりだったけど、それがあんまり見えないなあ。
     フレスコ画は修正がきかないのだから仕方がない。
     今日はサングラスをはずして、昨日以上にコントラストに注意して描くようにしよう。

     すでにやるべき作業が何もないイヴォーナは、敷地のあちこちに行きながら、スケッチをしたり、
     みんなの作業を見てはお話したり。
     彼女は人のいいところを見つけるのが上手な人だ。
     時々、私の絵を見にそっと来ては、「さかな、スーパー!」といってくれる^^
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     さて、ここでもうお昼ごはん。
     漆喰面にたっぷりと水分を吹き付けて、小屋に向かう。
     ところが、今日もジーザスとアレハンドロが、なかなか来ない。
     おばちゃんたちはいつもの通り、プリモのスープとともに、私たちを待っている。

     おばちゃんのひとりが笑いながら何か言って、作業場にズンズン向かい始めた。
     イヴォーナに聞くと、「困った子たちだから、お尻ペンペンしてくる!」って言ったのよ、って(笑)
     もうそれぞれ40代、50代であろうジーザスやアレハンドロも、このおばちゃんたちには形なしだ^^
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     今日のスープはこういうの。
     ひとくち口に入れたとたん、初日のにんじんスープとはまったく違って、トローンとした濃厚なスープ。
     これもおいしいなあ。
     みんながポーランド語やスペイン語でおしゃべりしてるなか、私は黙々とスープを味わう。

     そしたらおばちゃんが、「この子はおいしいって?」「何のスープか知らないんでしょ?」って、
     なんかみんながニコニコして私を見てる。
     「もちろんおいしいよ〜」と答えると、「このスープはね、牛の胃袋のスープなのよ!」って、
     私が驚くのを期待したまなざし^^。

     ああ、モツのスープなのか〜。だからこんなにとろんとした濃厚さがあるんだ〜。
     「あのね、日本でも牛の胃袋を食べるんだよ。だからこれもおいしいよ」って言ったら、
     みんなちょっと驚いてた。
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     セコンドはミラネーゼみたいな肉料理とキャベツの煮込みとじゃがいも。
     この日ぐらいから、みんなは作業中にもビールを飲むようになってたんだけど、お昼はワインも開けはじめた。

     おばちゃんが言うには、日本の震災のあの日以来、いろんなものの物価がここでも上がり始めたんだって。
     いろいろなところでいろいろなことがつながっている現代では、遠くの国でもまったく関係がないって事は
     ないんだね。

     さてこのあと、実はあるものがやってくるという。
     だから昼食のあと、私たちはいったん作業場に戻って再び漆喰にたっぷりと水分を吹き付けて、
     また小屋のそばの広場に集まる。

     このイベントのために、近所の人、スタンの友達が、ボツボツと集まってきている。
     となりのおうちの牛もつれてこられてる。
     「牛を中心に半円になって寝転んで向かえよう!」
     スタンは大張りきりで、みんなもそれぞれ嬉しそうに、ポジションを決めていく。

     きた!
     ババババババババ・・・・・
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     ごう音と、すごい風とともにやってきたのは、ポーランド軍のヘリコプター!
     フレスコ画のラビリンスとこの土地の、航空写真を撮りにきたんだって。

     スタンが頼んだのかなあ。
     でも、相手は軍隊なんだよね。そんなに簡単に頼めるのかなあ。
     スタンって、本当に不思議な人だ^^

     お〜い、お〜い!
     ババババババババ・・・・・
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半円になって寝転んだ私たちと牛たち。半円まん中のオレンジ色のが私です。


     (つづきます)
by sakanatowani | 2011-06-29 22:38 | フレスコ画 affresco
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