5月8日(日)午前3時
Lodzをウッジと読むと知ってから、うつらうつらしただけの数時間後、むっくり起き出す。 さあ、本当に行くんだわ。 朝食を軽く食べて(どんな時間でも朝は食べられるのよ)、4時には出なくちゃ。 だって、ミラノの空港行きのリムジンバスが出る北の駅まで、歩いていかなくちゃいけないから。 ネットによると、どうやら4時半に1本だけ深夜市内バスが走るようなんだけど、同じサイトの別ページには 「ない」と出てる・・・ああ、情報がいいかげんな国、イタリア。 それなら確実な「歩き」を選ぶのが、イタリアでひとり暮らす中から学んだこと。 北の駅まで30分ぐらいの歩きのために、荷物もバックパックにしたし。 よし、出発! 朝4時の、まだ薄暗い街を、さくさく歩く。 この街は、夜中(明け方)に歩いても安全だから安心。 でもこの前日から、この街はアルピーニたち*でいっぱいで、けっこう酔っ払いの集団が多いな〜。 からまれないように避けながら、ひたすらサクサク、サクサク。 *アルピーニとは、イタリアの山岳部隊。徴兵制があった5、6年前まで、徴兵義務年齢の男子は、山岳部隊を含む3つの部隊に 分けられて、徴兵期間を過ごしていました。年に1回、彼らはイタリアのどこかの街で大集合する「同窓会」をするのですが、 この週末は、ちょうどこの街での集会。全国から50万人というアルピーニたち(つまり、山岳部隊で徴兵訓練を受けた すべての世代)が、キャンピングカーで家族を連れて乗りつけ、町中歩道までキャンピングカーだらけ。「緑の夜」と 名づけられ、お店も深夜まで開店。一晩中、飲むは食べるは歌うは、はめをはずすわの大騒動だったのです。 シュパッ。ブウ〜ン・・・。 え?!背後から、バスが発進して過ぎ去って行く音が・・・。 ああ・・・あのサイトに載ってた深夜バスだ・・・走ってたのか・・・ちくしょ〜(すみません)、 走ってたのかぁ〜・・・。 信じてよかったのか〜、あの情報。まだ学び足りてなかったな〜。く〜、イタリアめ〜。 でもいいんだ。間に合うもん。歩いたって間に合うんだから、いいんだよ!と心の中で自分をなぐさめつつ、 ひたすら歩く。さくさく、さくさく。 遅れるよりまし、と早めにバスの停留所に着いて、若い女の子2人が、かなりはじけた(車道に出て、 救急車に「チェントロ(街の中心部)まで乗せろ〜!」って制止させてた。いや、ここチェントロですよ^^;) 若者の酔っ払いグループをうまくあしらってるのを横目に、「ああ、若いかわいい女の子でなくてよかった」 と思いながら(笑)待つこと30分。 さあ、ミラノまでのリムジンバスに乗り込みます。 リムジンバスで寝ようと思ったのに、さ、寒い! この記事を書いてる今日現在、昨日に引き続き、気温が30度を超えようかという毎日に、すでに夏バテ状態なのが信じられない けど、あの日の朝はまだ寒かった・・・。 長袖Tシャツ2枚+ウールのカーディガン+Gジャンでも寒くて寒くて、バスの荷物置き場に入れてしまった フリースが恋しかった。 こんなに寒くちゃ風邪ひくな〜と思いつつ、うつらうつらした目にうつった朝日が本当に真っ赤っかで、 空は白いのに、朝日だけは真っ赤っか。日本の国旗みたいだな〜、日本はどうしてるだろう、と思ったのを 覚えています。 知らないうちにぐっすり寝ていて、ふと目を覚ましたら、ミラノのマルペンサ空港に。 朝7時。どうやら早すぎ。 国際線だから、出発の3時間前にはって思ってたのに、チェックインは2時間前からだって。 実は今回、はじめてネットでチケットを買ったのです。しかも古すぎる自分のコンピュータでは、 知りたい情報が得られないという不便さから、こんなにおたおたしてたのだとも思います。 大学卒業まぎわには、バックパックひとつで3か月、インドや東南アジアをひとりで旅行していたのに、 ずいぶん情けなくなっちゃったな〜と、今の自分をみながら、空いている椅子にどっかりと腰をおろす。 それでも、一人旅気分は、ちょっと思い出してきたかな〜。 8時半まで待たなきゃいけないのなら、それなら有意義に待とうじゃないか。 これから描かなきゃいけないフレスコ画というものを、ちょっと勉強しておこうと、何年も前にフレスコ 画のマエストロ(師匠)がくれたフレスコ画の理論のコピーを読むことに。 実は今回が、私にとってのはじめてのフレスコ画描き。 その上、出発2週間前に突然、このマエストロが来られないと知ったという心細さ。 ポーランドのギャラリーの人は、「フレスコ画教室だとは言ってなかったよ。アーティスト・ミーティング なんだよ」って言ってたけど、知らないものは知らないのだ。5年ほど前に、そのマエストロのところで、 ちょこ〜っとフレスコ画を描いたことがあるだけだもの。 ああ、不安要素がいっぱいだなあ。 でも、他の人たちは知ってるはず。教えてもらえばいいよ。画材もむこうで用意してくれるって言ってたから、 行って体験してこよう。 お、そう思ってる間に、チェックイン・カウンターがひらいたよ。 私「ボンジョルノ〜」 航空会社の女性「イタリア語を話されるんですね。ではイタリア語で^^」 そうだね。いろんな人が来る空港で、アジア人顔の私が来たら、英語ってこともあるわけだよね。 にこやかな気持ちのよい会話とともに、私の初ネット購入チケットは無事チェックインされ、航空会社の 女性に「ブォン・ヴィアッジョ!(Buon viaggio! よい旅を)」とにっこり笑顔で言われる。 「ああ、マルペンサ空港の人たちは、こんなに親切なんだ〜!!」と、その前のインフォメーション・ カウンターの女性の笑顔も思い出しながら、サービスに笑顔も正確な情報も伴わない国イタリアで、 期待しないことを覚えてしまった私は、空港の人たちの態度に、必要以上の感激を味わいながら、 チェックインヘを向かうのでした。 今回もまだポーランドに着けませんでした〜。すみません〜。つづきます。
by sakanatowani
| 2011-05-25 21:22
| フレスコ画 affresco
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