<   2011年 10月 ( 5 )   > この月の画像一覧
   死者の日と全聖人の日
     朝、目を覚ましたら10時。うわ〜、こんなに寝ちゃった〜!と思ったら、実際は9時でした。
     イタリアは、夕べのうちに1時間戻って夏時間が終わり、今日から冬時間(?)になったのです。
     すっかり忘れていました。
     それにしても、こんなに「落ちついて寝たな」っていうのは1か月ぶり。
     しかも朝の時間もまだあるっていうのが、なんだか得した気分です。

     イタリアでは、毎日に、何人かの聖人の名前がついています。たいていは、その聖人が殉職、
     つまり処刑された日。それを知った時は、ちょっと無気味な気持ちがしましたっけ。
     しかし、1年のうちいくつかは、聖人の名前でない日があります。
     そのうちのふつかが、10月31日の「死者の日」と、11月1日の「全聖人の日」です。

     全聖人の日は祝日なのですが、死者の日はふつうの日。
     でも、ふつうのイタリア人の生活の中では、この「死者の日」の方が、生活に密着している気がします。
     こちらでは、そのあたりにお墓参りに行く習慣があり、いわゆる日本のお彼岸のような感じだからです。

     今住んでいる街の北と南に大きな墓地があるのですが、墓地を通るバスはこの10日前ぐらいから増便され、
     花屋さんにはお供え用の小さなブーケや、菊の鉢が並びます。公園の植え込みでも菊、菊、菊。
     そう、イタリアでも菊の花は、亡くなった方に供えるもの。でも日本ほどその境目はっきりしておらず、
     菊の花を混ぜたふつうのブーケもありのようですが。
d0165762_2254186.gif

     この時期ならではのお菓子というのもあります。
     残念ながら今の街にはそういうお菓子がないのですが、以前住んでいた中部イタリア、ペルージャには、
     死者の日あたりだけに食べられる「ファーヴェ・デイ・モルティ Fave dei morti(死者の空豆)」
     というお菓子がありました。

     この死者の空豆、アーモンドの粉がたくさん入った、軟らかめのクッキーで、空豆型をしています。
     古代ローマでは、空豆は、死者の聖なる食べ物として考えられていたそうで、そこからこのお菓子が
     生まれたのだとか。
     私はこのお菓子が大好きだったので、今では食べられないのが残念です。
     たぶん以前はここにも死者の日のお菓子というものがあったのだと思うのですが、もう街のお菓子屋さんに
     そういうものを見かけません。近郊の小さな町、村などでは、まだあるのかな。
     あるのならどんなものなのか知りたいなと思います。

   マンマが来た!
[PR]
by sakanatowani | 2011-10-30 22:03 | 季節のこと season's | Comments(10)
   静かな時間
d0165762_23422595.gif

わにも夢を見、そして静かに前進し続ける

[PR]
by sakanatowani | 2011-10-25 23:40 | ひびのこと diary
   モンスター出産してました
     このところ、ずっと調子が出ない。寝つけない。イライラ、いらいら。
     寝不足が続いて、さらにイライラ、いらいら。
     こんなんで新しい同居人にあたってしまうのは嫌だし、イタリア語を話すのも億劫なので、
     部屋にこもってみたり、7月からやめていたお菓子を解禁してみたり。
d0165762_3574228.gif
イライラでとげのはえたわに、凶暴なモンスターを出産中^^;

     数日前、この時期初のカブを見つけたので、豚汁にしよう〜♪と買い、あるもの野菜でつくった豚汁を
     ずずずっとすすった時、心の中がホッ・・・
     「私、幸せじゃないんだ」って言葉が、ふっと心に浮かびました。

     季節の変わり目の体調不良と、このところの同居人探しのストレス、新しい人との暮らしでの変化のストレス、
     上の階に引っ越してきた人の夜中までの騒音、前に進ませたいのに時間がない自分の仕事と、
     ものすごいストレスでがんじがらめになっていたようです。

     自分の機嫌がよくないのは気づいてたけど、それは上の人の騒音のせいで眠れないからだと思ってた。
     実際はそうじゃなくて、その前からのいろんなストレスが支えられなくなっていて、そのイライラで
     眠れなくなってもいたんだ。
     豚汁のホッで、そんなことに気づきました。
     そして、あるブロガーさんのコメントのお返事の優しい言葉に、ポロッと涙がでてきて、
     自分の中の何かがフッと消えた気がしました。

     そんな時偶然、いつも参加しているイラストレーターのフォーラムのサイトで、スランプに落ち入っている人が、
     「イライラで凶暴なモンスターを産みそう!」と書いていました。

     モンスター産んでたんですね〜、私。この数週間^^;
     たぶんもうそろそろ大丈夫。夕べから、ずいぶん違った気分で寝られるようになりました。
     今ある同居人との問題にも客観的に気づいたし、うまくすり抜けていけるでしょう。
     少しずつ以前の私に戻って、前に進んでいけそうです。

     いや〜、それにしても、モンスターの出産、大変でしたわ。
     みなさんも、モンスターには気をつけて(笑)
[PR]
by sakanatowani | 2011-10-14 04:14 | ひびのこと diary
   文化の違い
     先日書いた同居人探しの大騒ぎ。イタリアに住んでいると、こういうことは日常茶飯事です。
     あっちでもこっちでも大騒ぎ。
     本当に、なんで穏やかにことを済ませられないのかなというほど、ここではいろんなことが大ごとに
     なっていきます。
     だから今回のこともそんな風に「は〜、終わった〜♪同居人Rとの感じ方の違いがおもしろかったな」って
     感じで書いたんです。
     でも翌日ぐらいから、「もしかしたら、ここの生活を知らない人には、これは別の意味で取られちゃうかな」
     って思い始めました。だって、それぞれのことが「激しい」から^^;

d0165762_625739.gif

     よくイタリア人のことを、「おしゃべり好きで、抜け目なく、狡猾で、小さなことは気にしない、嘘も平気で
     言う、そういう人間らしい人たち」と描写されているのを目にします。
     これを「人間らしさ」と思うかどうかは人それぞれだと思いますが、こういう人たちの大騒ぎを外から見て、
     うまく分かりやすくまとめたのが、イタリアの喜劇オペラなどなのだと思います。
     それを実生活版にして、その中から見たら・・・私の先日の体験になるのでしょう。

     ええ、本当に、彼らはたしかにおしゃべり好きで、抜け目なく、狡猾で、小さなことは気にしない、嘘も平気で
     言う人たちです。
     こっちで嫌なめにあって大声で愚痴を叫んでる人が、あっちでは逆に原因となって愚痴を叫ばれる側になる。
     大騒ぎをしても、終わったらそれでおしまい、けろっと忘れちゃう。そしてまた新たな大騒ぎ。
     ここの人たちはそうやって毎日を生きているのだなあと、見ていて思います。

     思ったら、感じたら、すぐそれを口にして表現する。攻撃される前に言い倒す。難癖つけられてものらりくらりと
     口八丁でするりとかわす。でもそれが身内のこととなったら、どんな手を使ってでも身内を守る。
     それがここの文化です。
     一方、日本はと言えば、自分の感情を大っぴらに表現するのは控える。我慢する。なるべく争い事が起こらない
     ようなやり方を選ぼうとする。言葉を使うより、相手の思っていることを推測して、こちらの行動を決めるなど、
     私には、感情表現という面において、イタリアとの対極にある文化のような気がよくします。

     どちらがいい悪いのでもなく、どちらが常識的、非常識でもなく、それぞれがただ、そういう文化、
     なんですよね。

     言葉の違いなんて些細なこと。意外に大きな違いを生むのは文化の違いから。
     でもそれは、異文化にどっぷり浸かってもみくちゃにされながら、次第にそれが文化の違いというものなんだと
     わかるもんだなあと、この数年になってやっとわかった気がします。
d0165762_63172.gif

     以前フィレンツェで、南イタリア出身の女の子と住んでいた時、彼女と「道路の向こう側に、偶然友人を
     見つけたらどうするか」という話になりました。
     私は「向こうが気がついたら、『あ!』とかいって、お互いに手をふるのかなあ」っていうと、彼女は
     「それだけ?!」って。
     彼女の町でそれをやったら、それは「私はあなたをもう友達とも思ってない」って意味にとられちゃうって
     言うんです。
     友達なら、「道を渡って相手のところに行き、ハグとキスをして、『どう?元気?最近どう?』って話を
     ひとしきりするものだ。挨拶だけなら嫌なヤツにでもするもの。それはこちらが礼儀知らずにならないため
     なんだから」と。

     それを聞いて、なるほどなあ、人との関係がはっきりしていて即行動なんだなあと思いました。
     もちろん日本人だって、こういう密な関係の相手もいますよね。でも全員じゃない。だって、自分だって、
     相手だって、どこかに行こうとしているところなんだもの。その場で話すんじゃなく、あとで電話やメールで
    「今日は偶然だったね!」と言うのでしょう。
     彼女の言い分を聞いて同時に、それじゃあ、どこに行くにも(誰か知り合いにばったり会うだろうから)
     約束通りの時間に着けるはずないなって、イタリア人の時間の約束を守らない理由はこれかと、
     にやりと納得してしまったりもしたのです。
     私も知らないうちに相手に「あの子挨拶しかしない。感じ悪い」と思われてるかもしれません。

     でもこんなことも、じっくり話をできる相手と話せたからこそわかったわけで、そのシチュエーションで
     異文化の人がどう感じるかなんて、想像もできないことも多いんですよね。もちろん向こうも、こっちがどう
     感じるかなんて想像もできないでしょう。それに相手はこっちの感じ方なんて気にもしてないでしょうし。
     だって、何か感じたら言うのが当たり前の文化なのですから、黙っていたら感じていないと思われがちです。

     またイタリアは、北と南の人の性格がかなり違う土地でもあるので、そういう国内の文化の違いもある
     わけです。一般に、南の人の方が情熱的、北の人の方が淡白といいます。
     私が住んでいるところの人を他の土地の人は「冷たい」といいます。つまりより淡白なんでしょうね。
     その上、当然、個人差もあるわけですし。

     今住んでいる町である日、道の向こうにクラスメートの中でもよく話す子を見つけて、フィレンツェの元同居人の
     女の子の言葉を思い出し、挨拶をしようと道を渡り始めたら、相手に明かに「困ったな」って顔をされて、
     「ああ、この子は道の向こうで手をふった方がいい子なんだ」って、あちゃ〜ってなったことがあります。
     この子にはしばらく「うっとうしい子」というレッテルを張られてしまったらしく、避けられました^^;
d0165762_63481.gif

     もちろんイタリア人にも、相手の言い分をよく聞く人、相手の都合を考える人、相手の気持ちを考えようという
     人もいます。私が日本人の考え方を伝えて初めて、そういう考え方もあるのだと知り、私に対しては、
     私の考え方を尊重して接してくれる人ももちろんいます。
     そういう人たちと話すことが多くなるのも自然なことでしょう。私は激しい感情表現にさらされていると
     疲れてしまうのですから。

     異文化を理解するのって、本当に難しい。相手にあわせていればいいってものでもない。自分が疲れて空回り
     するだけだから。自分がどう感じているかもわかってもらう努力も必要。
     結局は、自分が心地いい状態を作れるかどうかが大事で、その違いをおもしろがっていないと暮らしていけない。
     もし面白がれなくなってしまったら、違いを憎むようになってしまったら、もうそれは潮時。(出ていけるもの
     なら)その場を離れるしかないのだなと思うようになりました。

     この日曜日に来た新しい同居人Dと話していて、私が話している内容と違うようにとられているのが見受けられ
     ます。相手の考え方のベースが違うから、そうなってしまうんですね。
     相手の頭の中にないことをわかってもらうのは至難の技です。
     さっきも、いろんな文化に興味のあるこのDに、プランターで育てている紫蘇を見せました。彼女は匂いをかいで
     「あ、これはレモンバームね!」って。だから「違うよ。これは日本固有のハーブだよ」って言ったら、
     「ここにはないの?!そんなものがあるはずがないわ!」って。
     ここではよくある反応です。彼女に悪気は決してない。ものの説明でさえこうなんだから、それが考え方
     だったら、もっともっと難しい。
d0165762_641865.gif

     そして、今日の午後、実はもうひとりの同居人を決めるため、今度はRとDと私の3人で、たくさんの人に会って、
     いろいろ話しました。
     2人がいいなと言ったのは、私には「この人と大丈夫かな?」と思った人。他の人も、3人の意見が分かれました。
     そこでみんなで投票。1番人気だったのは、2人がいいなと言って私が?だった人。
     「じゃあその子に決めようよ」と私が言った時に、他の2人は、「え?!そう決めちゃうの?本当にさかなは
     その子でいいの?もしさかなが嫌なら、投票でこうなっても、他の子を決めた方がいいと思う」って。

     それで他のひとりに私がどう感じたかを一生懸命話し、ふたりの意見を聞いて、本当にたくさん話し合いました。
     彼らが二の足を踏んだのは、もしあとでうまく行かなかったら、いいと言った彼らが責任を感じるしっていうのも
     あるよう。でも私がふだん蔑視されている感じとともに生活しているので、その感じが本当だったらと、彼らは
     心配してくれたのです。もちろん私の感じすぎということもあるし、私もその人が本当に嫌な人だとは決められ
     ない。私だって長年の体験から、自分が卑屈になっているなと感じてもいるし。
     ともかく、彼らは私の気持ちも尊重して、ちゃんと話し合おうと言ってくれたのです。それがとても嬉しかった。
     こんなふうに他の2人と話せたのは、本当によかったなと思います。

     結局、話しに話し合って、その子に決めました。
     私はその子といい関係を築いていこうとポジティブに感じています。一方、初めにいいって言った2人は
     そう決めたとたん、本当に正しい選択だったか不安になってるんだって。
     そんなものかもね。
     
     さあ、新しい相手とどういうふうにいい関係をつくっていくか。
     新しい課題です。
[PR]
by sakanatowani | 2011-10-07 06:01 | ひびのこと diary | Comments(10)
   これからよろしくと白い嘘(長い週末・・・記事も長いです)
     先日の記事で、「ここらでちょっと、気持ちの余裕を取り戻したいな」なんて書いてたのに、
     とんでもない慌ただしいことに巻き込まれて過ごしていました。

     同居人探しです。

     今のアパートは4K+広めのエントランスの4人用。
     このうち2部屋が空いたので、同居人を募集することになったのです。
     今まで何件のアパートに住んだのかな。数えてみたら、8年間で10件。ひどい時には1年間に4回も家を変わったことも^^;
     いつも私は最後のひと部屋に入る人で、今まで自分が同居人探しに加わったことがありません。

     本当は空室のうちのひと部屋は、9月から空いたまま。なのに同居人Rはダラダラと募集をかけず、9月の末日に
     もうひとりが出ていくとなって、やっと動く気になったよう。
     たいていは、店子はアパート全体の家賃を毎月大家に払わないといけないのだけど、ここは各自が自室分を払っていればいいようです。
      正式な契約書のない闇賃貸だからかな。

d0165762_1949643.gif

     先週の木曜日の夜中、同居人や店子募集のサイトに「同居人の女性2人を探しています云々。電話は17時以降に」
     とメッセージをおいたところ、金曜日の夕方から、じゃんじゃん電話がなりっぱなし。
     しかも、きちんと電話をかけてくる人がいない!
     名前も名乗らない、横柄な態度、部屋を見るアポをとったらすぐに(電話を)切ろうとするから名前を聞くと、
     「はぁ〜?」とまるでこっちが失礼なことを聞いたかのような不機嫌な返事・・・。
     まともに電話をかけられる人はいないんだろうか?これがここではふつうなのか?と、自分の常識の方を
     疑ってしまうほど、みんなとっても失礼。

     私はもともと電話が好きではないので、もうこの電話攻撃がストレスでストレスで・・・。
     21時過ぎには実は携帯の電源を切ってしまったのです。
     寝る前に携帯の目覚ましをかけるべく電源を入れると、20件ほどの着信メッセージが、ちゃりらりら〜ん、
     ちゃりらりら〜んと着信音とともに表示され、その音がまたストレス・・・。
     しかも最後の電話は、なんと夜中の12時!非常識すぎるぅ〜!!

     しかもその晩は、出ていく同居人の引っ越し日で、その子は自分の被害妄想から「あの大家は敷金を返さないに
     違いない〜!!」と、ヒステリックに電話であちこちに怒鳴りまくってる始末。
     その腹いせなのか、この家のキッチンタオルをすべて持っていってしまいました・・・

     あまりのストレスに、夜勤のバイトに出ていていない同居人Rに「失礼な電話ばっかりでたまらない!
     電話は20時までにしてって、募集記事につけくわけて、お願い!」と、彼の部屋に置き手紙を。
     夜中にバイトを終えたRが携帯の電源を入れたところ、80件の着信メッセージがあったそう・・・
     恐るべし、ネット募集・・・。

     大学は9月半ばから始まるので、夏休み前か、バカンスシーズンが終わる8月半ばから9月の始めまでが
     部屋探しのピーク。この時期ではもう遅すぎでしょう。だからみんな必死なんだよね。
     昨年の今ごろは私もそのひとりで、結局部屋が見つからず、見かねた私を友人の家族が今年の2月まで
     居候として受け入れてくれたのです。
     だからみんなの必死さもわかる。
     でも、最低限の礼儀はわきまえてほしい。こんな人だったら一緒には暮らせない。

     そんな考えで鬱々しながら、土曜日の仕事を終えて(朝から電話が鳴りっぱなしだからもちろん携帯は切って)、
     毎度のごとく疲労でゾンビ状態。家に帰ってバタンキュー。いつもの2時間の爆睡を・・・と思ったら、
     同居人Rが部屋をノックする。
     「部屋を見にきた子がいるから」
     ああ・・・

     結局、土曜日は8人、日曜日は11人に会ったかな。
     Rはいつも、部屋を見にきた人全員にまず会ってみる。それから、気があいそうな人をアパートに住んでいる人
     全員で選ぶという主義。
     たいていのアパートは「早く来た人から部屋を得る」という方法だけど、私がこの1月末に連絡をした時は隣町に
     住んでいて、しかも雪とバスのストですぐに部屋を見に行けない状態だったから、Rのこの方法は、ありがたかっ
     た。それに、その時住んでいる人全員が未来の同居人候補に会うという方法も、公平でいいなって思いました。

     部屋を見に来た人たちに、部屋の説明をし、その人が何をしているのかとかおしゃべりしながらその人柄を
     見ていくわけだけど、Rは口がうまいこと、うまいこと!
     私には明かに嘘とわかることも、まるでそれが本当の理由かのようにスラスラと、話す話す。
     もともとRの小さな嘘つきぶりには気づいていましたが、今回ばかりは、この人がいるから見学者の説明が
     スムーズにできてよかったな〜って、つくづく思いました(笑)

     彼は最初の電話のアポ取りの時から、感じが悪い人にはのらりくらりと話をかわして、アポを取らないことに
     してたんだって。
     なるほど〜!そうだよね、嫌な人と会っても断るだけだから、お互いの時間の節約にもなる。
     でもね、自分が部屋探しに苦労してきたから、ついつい断れないんだよね。こういうとこが弱い私。

     結局、初日に会った人のうち、私がいいなって思った子はRがあまり好きになれず、彼がいいなって思った子は
     私は絶対嫌だ!って思った子^^;
     翌日は、アポの時に「女の子2人なんだけど、イタリア語を話せないから」って男の子が電話をかけてきて
     無理矢理アポをとった人たちが、実は女の子はイタリア語は話せるのに、私の同情をかって部屋を得るために
     男友達が嘘をついて電話をかけてきたことが判明。しかもそれぞれの女の子の彼氏が偵察のためについて来て、
     Rが男性だと知るやいなや彼氏はムッとし、ちゃんと挨拶もしないでドヤドヤと出ていってしまうという
     わけがわからない人たちだったりして、なんだか混乱。
     でも結局、私もRもいいなって思った子が3人もいました。

     3人・・・いいなって思わせるほどの感じがいい人なのに、1人は断らなくちゃいけない・・・誰を?
     本当に2人で悩みました。30分ほどベランダでですけど。
     結局は、エラスムスというヨーロッパの国の間での交換留学制度で、来年の6月末までしかいないという子を
     断ることに。7、8月のバカンスシーズンに同居人を探すのはほとんど無理なので、(大家のことを考えて)
     その間も家賃を払える人を、というわけです。
d0165762_19504849.gif

     じゃあ、どう断る?
     私が「来た人たちには、選ぶにしろ選ばないにしろ連絡するって言ったんだから、正直に、
     『他の人を選ぶことになりました。ごめんなさい』でいいんじゃない?」というと、Rは「そんな非情なこと!」
     と言うのです。もっと何かいい言い訳をつくり出せと言うのです。

     おもしろいなあと思いました。
     日本では、嘘をつくことは悪いこと、恥ずべきこととしつけられますが、イタリアでは、言い訳に嘘をつく
     なんて日常茶飯事。良心の痛みなんかありません。
     この場合、正直に言うのは非情で、嘘を言うのがいいと言うわけです。
     私は見え透いた嘘をつかれるよりは、正直に言われたほうがいいけど。そう言われてもきたしね。
     どんな言い方したって、結局「選ばれなかった」ってわかるものじゃない?と思っちゃうんだけど。

     もちろん言い訳はRにつくってもらいましたよ。こればかりは彼もスラスラとはできないようでしたが。
     いい感じだったけど断らなくてはいけない子には、「君はとっても感じがよかったんだけど、大家がどうしても
     夏休みまでいる人じゃないとだめだと言うんだ。ごめんなさい」という言い訳を。他人のせいにすれば解決するんだ〜
     彼は気に入らなかったけど私は気に入った子には、「君はとっても感じがよかったんだけど、どうしても
     エラスムスで来てる子を受け入れなくちゃいけなくなったんだ。ごめんなさい」。
     えっと〜、私たち、エラスムスの子を断るんだよね。でも別の子には言い訳に使うの?という私に彼は
     「いいんだよ、それで」とあっさり。
     む〜。私には、こういうことの方が良心がとがめます。

     ここでのポイントは、「(君は)感じがいい人だと思った」という言葉。
     これって、イタリアではとっても重要視される言葉なのです。

     お断りのメッセージを書きながら、「ああ〜、嘘書くなんて良心の呵責を感じる〜。あのね、日本では『嘘を
     つくと閻魔様に地獄で舌を抜かれる』ってしつけられるんだよ」と言ったら、彼は目を丸くして大笑い。
     「すげ〜!舌抜かれるって!?」って。

     「正直に『他の子にしたの』って書いちゃダメ?」って聞くと、ものすごく真面目な顔で「それは絶対ダメ。
     ひどすぎる。君が舌を抜かれてもいいから、言い訳を書け。嘘も方便って言うじゃないか」って。
     たぶん「他の人を選んだ」って、自分が言うのは嫌なんだよね。それで他人のせいにするのがいいってわけだ。

     さて、「嘘も方便」と私は勝手に訳しましたが、本当はRはなんと言ったでしょう。
     Bugia bianca(ブジア ビアンカ)。直訳すると白い嘘
     へ〜、そう言うんだ〜!!
     嘘も方便っていうより、罪のない嘘って感じなのかな。
     じゃあ、彼らのついてはいけない嘘って何?ものすごいことの気がする〜^^;

     日々、イタリア人の嘘つきぶりにはびっくりしていましたが、日本人の正直(ビジネスライク)なやり方は、
     イタリア人にとっては、冷たい非情なやり方に見えるのかも。
     でもね、このR、感じ悪かった人には、返事も返さなくていいって言うんです。
     返事はせめて返すべきでしょ〜。つっけんどんな言い方でも。それが礼儀じゃないのかなあ。気があわなそうでも、
     相手は必死に部屋を探してるんだろうから、結果を早く知って、次を探したいんじゃないのかな。
     そう言う私にRは「向こうだって、言わなくても他を探してるんだから。返事がなくても気にしないよ」と言う。
     なんかこの点に関しては、Rの方が非情、ばっさり切ってるって感じ。
     よくわかんないな〜、この感覚。
     今回の感じ方の違いは、まさに文化の違いなんだな〜と、おもしろかったです。

     そんなわけで、決まりました新しい同居人2人。
     実はそのうちのひとりは連絡してすぐに、もう荷物を持って引っ越してきました(笑)
     昨日ボローニャから引っ越し荷物とともに来て、修道院の宿泊施設に泊まってたそうなんですが、
     宿泊費が高いので、すぐ引っ越しすることにしたそう。
     私がこれを書いている今、彼女はもうすでに部屋をかたづけて寝ています。

     イタリアに小さい頃に来たというハンガリー人の女の人で、心理学のマスターコースが明日から始まるそう。
     明るくて、Rも私も「なんだか自然な気持ちで話せる人だね」って思った彼女。
     もうひとりの新たな同居人も、数日のうちに引っ越してくるでしょう。

     それぞれ完全に生活時間帯が違うので顔をあわすことも少なくて、お互いに迷惑をかけないように、それぞれが
     それぞれの生活を独立してしているからうまくいっている感じのこのアパート。
     さあ、これからどんな雰囲気になるのかな。
     穏やかな気持ちで、みんなと気持ちよく過ごせるといいなと思います。
[PR]
by sakanatowani | 2011-10-03 19:45 | ひびのこと diary | Comments(6)