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  版画  Etching
     *にわとりの答え、追加しました。

     4年前から、こちらの美術大学で、銅版画を始めました。
     この、白と黒で表現する版画を始めてみたら、色を使っている時にはなかった感触、感情、
     そして、それまでは自分でやってみるなんて考えてもいなかった抽象的な作品が、
     からだの中から出たがっているのにも気づきました。
     しかも、まわりの人とくらべると、なんだか和っぽい雰囲気もあったりして。
     予想してなかったので、ただびっくり。しばらくは戸惑っておりました。

     でもいざ見つめてみると、自分の中に今まであったのに、自分が知らなかっただけで、
     それはけっこう自分でも好きなものだと気づきました。
     そして今では、私のこの部分を引き出してくれる銅版画という技法は、イラストとともに、
     私にはなくてはならない、一生続けていくつもりの大事なものとなりました。

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            "Waiting the sunrise" etching, aquatint, dry-point
            『朝日をまって』     エッチング、アクアティント、ドライポイント


     たぶんこれを読んでくださっている方たちはみんな、彫刻刀を使い、いも版や木版画をしたことがある
     と思います。小学校の授業でもやりましたよね。
     それから今はなきプリントゴッコ 。(なくなってしまったのをこちらに来てから知って、もう本当に
     ショック。大好きだったのに・涙)。これを使ったことがある人も多いと思います。これは、シルクス
     クリーンと呼ばれる技法を、手軽にできるようにつくられた製品です。
     これらのいわゆる版画の技法を、私たちは日常的に、授業や年賀状作成という形で、みんながふつうに
     使っています。
     でもこれって、とても特殊なことのようです。

     それを知ったのは、今の美大に入る前に通っていたイラストの学校でのこと。
     解剖学の授業の時、たまたま先生が版画をやっている方で、「版画という表現法も、素晴らしいものよ」
     と、版画の種類を説明されたんです。
     「木版画(凸版)、リノリウム版画(凸版)、銅版画(凹版)、シルクスクリーン(孔版)、石版画
     (平版)。この中で、どれかやったことのある人」と言われて手をあげたのは、私ひとりでした。もち
     ろん本格的にではないですが、学校の授業などで、石版画以外は一度はやったことがありましたから。
     すると先生が本当にびっくりされたんです。「私は版画を30年以上やっているけど、これを全部を経験
     したのはごく最近になってからよ」と。クラスメートはみんな、彫刻刀を持ったこともありませんでした。

     そこで私ははじめて、日本には版画という大きな文化が、日常に溶け込みながらも、今もあるんだなあ
     とあらためて気づきました。
     「じゃあ、版画ってどういうものだろう。もう一度、きちんとみてみたい」
     それが、今の美大で『版画科』を選んだきっかけになりました。


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            You can see also a hen...can you?:-)
            この部分によく見ると、にわとりが隠れています。わかりますか?:-)


     木版画もやりましたが、今は主に銅版画(とはいっても、コストの関係から、亜鉛の金属板を使ってい
     ますが)をやっています。この4年間、楽しんだり、悩んだり、悩み抜いて手も足も出なくなったり、
     発見したりの試行錯誤を楽しんでいます。
     その中でだんだんと気づいていく、自分の好み。

     自分でもまだはっきりとはわからない自分の中の微妙な好み、出してみたい微妙な表現など、日本語で
     説明するのも難しいのに、ましてイタリア語で、別の表現文化で活動してきている教授たちに、的確に
     質問できるわけありません。
     なので私はひとり黙々と、はた目からは突飛だったり、わけがわからなく見えることを、ずっと試して
     きました。それを横目でみながらも、しんぼう強く、勝手にさせてくれる教授たちには感謝しています
     (彼らが日本語を読めないのが残念!感謝してるんですよ〜^^)。
     もちろんよく「おまえは『はい』って言っておきながら、こっちが言ったことをやった試しがない」
     とも言われてますが(笑)

     そんな中で、日本でふつうだと思って見てきたもの、勉強してきたこと、生活の中で感じてきたこと、
     仕事の中で得たものがしっかりとベースとなって、それが銅版画を通して出てきているんだなと、あら
     ためて強く感じるようになりました。

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     そういえば、こちらに来て数回、水墨画教室に通ったことがあります。
     先生は、中国で勉強をしてきたという、とってもおもしろいイタリア人のおじさん。
     そこで私に起こったのは・・・ひじをつかないで筆を手首の動きだけで動かす、単純な線を引く、
     丸を描く、竹を描く、笹を描くという、初級コースの内容は、最初からすぐにうまくできるのです。
     習字の応用なのですから。
     ところが、それ以上のこと、つまり「絵を描く」ということになると、どうもうまく行かないのです。
     手が、腕が、習字の動きを覚えすぎていて無意識に、「絵を」描かないで、習字のような動きをしてし
     まうのです。まわりのイタリア人とは、つまづくポイントと楽なポイントが、まったく逆。
     「日本人ならではの大きな問題だね〜」と先生と笑いました。

     色を使ったイラスト、ここのわにのイラスト、そして版画。そのひとつひとつが私なんだなあと、
     最近になって、どれもを楽しめるようになってきました。
     版画、習字、その他の好みなど、自分の中の日本人成分とも、仲良くできるようになってきました。
     日本人、日本文化に固執するわけではありません。
     できるだけ風通しよく、世の中にあるいろいろなすてきなことを受け入れて、自分の中で熟成させたり、
     自分の形にしていきたいと思っています。
     でも、自分の中の日本人、日本人のいいところ、日本文化のいいところは、しっかりつかまえて、
     育てていきたいと思うのです。
     やっぱり私は日本人だし、日本人のいいところ、好きだと思うところがいっぱいあるから。 

     秋以降、こういう4年間の頭の中の試行錯誤を、ひとつにまとめていきたいなあと思っています。
     はてさて、どういうものができることやら:-)

     にわとりは、ここにいます^^
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by sakanatowani | 2010-08-27 03:01 | 版画&イラスト Etching,etc. | Comments(12)
  はぶらし
     昨日今日と、気温が20数度まであがり、何よりも、太陽が出ているのが嬉しいわにです。
     太陽、大事だなあ・・・と思う秋。

     さて、海外に住むと、毎日毎日が異文化との出会い。
     ときどき出会ってドカンとショックをくれる大きな異文化は置いておくとして、
     日々の暮らしに刺激や笑いをくれるのは、ほんの小さな異文化体験。
     そのひとつが、はぶらし。

     そんなこと、と思われる方もいるでしょうが、これは毎日の必需品。
     こっちのスーパーで歯ブラシを買おうと思って、「え?!そんな〜」と、しばらく買えなかった私。
     だって、「これ、馬用?!」ってぐらい(いや、これは大袈裟ですが^^;)、でっかいんですよ!
     これを口の中に入れて、動かせるんだろうか?!と素直に悩むほど。

     日本の歯医者さんに「そんなはずないわよ〜、その歳で!!親知らずが生えるのははたちまでよ!」と
     一笑にふされながらも、30台半ばから徐々に生えてきた親知らず(現在進行形)が、上下左右ともあ
     る私は、それらを虫歯にしないためにも、ググッと口の奥まで届く小さなヘッドの歯ブラシで磨きたい!
     そんなわけで、こちらに来てからずっと、子供用の歯ブラシを愛用してます。


     ひさしぶりに、大型のスーパーまで行きました。
     イタリアのスーパーって、どこも同じようなものしか売っていないし、日本に比べたら、品数も本当に
     少ない。それでも、そこにしか売っていないものっていうのがときどきあって、市場もだけど、スーパ
     ーも大好きな私、今日はゆっくり、じっくり、「ひさしぶりに見る、いいものはないかな〜」と、いろ
     んなコーナーを見てきました。

     さあ、そこで見つけたのがこの歯ブラシ。
     スノードーム好きの私は、ついひきつけられてしまいました!
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     歯ブラシを傾けると、中のキャラクターのまわりを、つぶつぶが躍るんです〜!
     いい歳して!ですが、ひかれてしまったものはしかたない。

     が、一通り歯ブラシをひっくり返して遊んだあと、ふと見つけたのが、パッケージの
     「←LUCE!(ルーチェ)」(あかり、ランプ)の文字。
     え?歯ブラシに、あかり?
     下のゴムの部分を押すとあかりがつくらしい。ブシッ(押してみた)!

     ピコン、ピコン、ピコン、ピコン・・・
     ウルトラマンのカラータイマーのように(同世代の方わかりますね^^)、赤い光がせわしなく点滅・・・。

     ・・・・・子どもはこれが楽しくて、歯磨きするのよね、きっと。
     ・・・・・私には・・・・・・・・・・・・・・・・うっとうしい・・・。

     ああ、カラータイマー(違)のおかげで、無駄遣いしなくてすみました。
     自分の中の大人の部分を、再確認した本日でした(笑)

  ストレス発散?
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by sakanatowani | 2010-08-20 02:59 | ふふふ^^ | Comments(8)
  夏、終わっちゃったのか・・・なあ・・・
     この数日、朝か晩に、ものすごい豪雨と雷! それで、夕べは停電もありました。

     この1、2週間ほど、たしかに涼しかったです。
     でも、外に出れば日差しは暑いし、気温30度ぐらいなら、こっちの家の中は涼しいから、
     まだ夏だと思ってた。

     だから、室内でキャミソール着てて涼しくて、ちょっと鳥肌なんかたっちゃって、くしゃみと
     鼻かみに忙しくても、でも、でも、夏だもん!と、頑張ってたのに・・・(←なんのために?!・笑)
     今日、もうどうしようもなく寒くって、とうとう長袖登場。

     で、気温を見ると、お昼になっても16度!
     そりゃ、寒いわけだわ〜! ああ、もう、今年の夏も終わりなのかな〜。なんか寂しい。

     でも、でも、来週の天気予報では、最高気温25度の日もあるし!
     まだまだいけるかも!(←あきらめ悪し)

     日本にいた頃は、夏のほうが好きだったけど、こっちに来て以来、乾燥した夏に体がたえられず、
     夏が苦手になったのに。
     でも、太陽がほとんど出ない、冬への心の準備はまだできてないんだよ〜。

     例年、この時期から涼しくなって、8月末には、どっぷり秋。
     なのに、どうも日本の気候が頭から抜けなくて、毎年この時期、まだ夏が続くかと期待してしまいます。


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     土曜の朝、市場で、いきなり大雨に降られました。
     バスが来るまで、バス停の向いの店先でちょっと雨宿り。
     急な本降りの雨に、露天の大きな傘のくぼんだところには、どんどん雨水がたまります。

     青空市場のお店は、日よけと雨よけのために、それぞれが、大きな傘やテントの下にあります。
     その屋根から突然ドドッと水があふれると、その下の商品がびしょぬれになって台無しに。
     だから、特に水がたまってる屋根の下あたりにある商品を、お店の人がお互いに声を掛け合って大避難。
     「ここ、うちの傘から水があふれそうだから、おたくの商品、あっちやった方がいいわよ〜」

     洋服屋さんの大傘の下で、バスが来るまでちょっと雨宿り。
     おじさんが、大傘にたまった雨を、商品がないところでうまくはきださせてます。
     「こっち寄ってな。そこ、水落ちるから」
     おばさんは、「そう、もうすぐバス来るわね。よし」って、私に話し掛けて、自分で答えてる。
 
     あれ、あの雨水を処理してたおじさん、隣のお店のおじさんだった。
     そうか、このお店の主はおばさんだから、高いところにのぼらなくきゃいけない仕事、手伝ってあげて
     たのね。女性には親切なのだ。

     そして、こういう突然のできごとがあった時のイタリア人は、ただの雨宿りの客にもとても親切だ。
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by sakanatowani | 2010-08-15 04:35 | ひびのこと diary | Comments(8)
  小さな中国のお針子
     近所の図書館でDVDを借りて観た映画。

     この図書館、最新作はないけれど、2、3年ぐらい前までのものなら、予算がある時に(イタリア
     らしいなあ^^)新しいものがドドッと購入されるのです。毎週3本借りては、返却時にまた3本借り
     て、この数年、映画漬けの日々を送っています。

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     さて、この映画『小さな中国のお針子』 、たしか何年か前に、どこかであらすじを読んで、ちょっと
     いいかもと思った覚えがあったのです。
     でもこの数年、考え込む映画は絶対避け、かる〜くって、ハッピーエンドで終わる映画、観終わって、
     「あ〜、スッキリした〜」とか「よっしゃ、私もやるよ!」っていう気分になるような映画だけを観た
     い気持ちの私。
     だから、文化大革命下の中国が舞台というこの映画を借りるのは、ちょっとためらいがありました。

     でもある日ふと「(映画の内容が)超軽くなくっても大丈夫かも」っていう気分の時観てみたら・・・
     思いがけず、いい具合に気持ちを揺さぶられてしまったのです。
     観てよかった! 結局、返却日までの1週間、何回かリピートして観てしまいました。



     1971年、文化大革命下の中国の、山の奥の奥にぽつりとある村に、(当時の政府から反革命分子の
     職業とみなされた)医師である両親を持つ2人の青年が、「再教育」のために送られてきたところから
     お話が始まります。

     政府からの通達を厳格に守るリーダーの元、過酷で地道な農作業をして、ささやかな食事をするのが当
     たり前、字は読めない、時計も知らないという村人の前にあらわれた「再教育しなくてはいけない」青
     年たち。さらにその奥の村に、仕立て屋の祖父とともに暮らす小さなお針子との、心のふれあい。

     青年たちとお針子との恋のお話しもそうですが、それよりも私は、外国小説のほんの短い翻訳を読んで
     目を輝かせる医師や、地道な生活をするのが当たり前という仕立て屋の老人が、今まで自分が知らなか
     った世界を知り、その創造力を洋服という形でさらに開花させる姿に、ぐっときてしまいました。

     ストーリーの詳細に触れるので、知りたくない方はパスしてくださいね(長いです)
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by sakanatowani | 2010-08-14 02:29 | 映画、本 film&book | Comments(2)
  脂肪・・・考
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     どうもこの頃、画像がアップできなくて、なかなか更新できませんでした(泣)

     もうずいぶん前、イタリアに来て初めての夏、ナポリに遊びに行きました。
     海に突き出したところにある卵城(wiki) に行く途中、「あ〜、海がきれいだな〜」と、
     ふと海岸を見てビックリ!

     トドのような(あ、失礼)おばさん、おじさんたちの水着姿が、あちらに、どど〜ん!
     こちらに、どど〜ん!(←とても失礼)。
     おばさんたちはもちろん、こちらでの基本、ビキニ着用です。

     お肉のはみだしなんかを気にすることもなく、さんさんと照る太陽の下、肌を焼きながら、
     ワインを飲み、トランプをし、おしゃべりを楽しむ。
     そんな姿を見ながら、「ああ、この国って、自由なんだな〜」と思った覚えがあります。

     ダイエット・イタリア〜ノ
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by sakanatowani | 2010-08-09 03:44 | ひびのこと diary | Comments(4)