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  クリスマスの思い出
     クリスマスも終わりましたね。
     こちらでクリスマスというと、25日と26日(聖ステファノの祝日)という感じです。
     (正確には、1月6日のエピファニアの祝日までなのですが)

     日本でロマンチックなイメージのあるクリスマスイブは、こちらでは、クリスマス前の最後の食料の買い出し、
     まだ買い足りないクリスマスプレゼントを血眼で探す、そういう殺伐とした雰囲気の日になってます(笑)
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     私は、プロテスタントの教会幼稚園に通っていました。
     その幼稚園でクリスマスにするのは、イエス様誕生のお芝居。

     私は他の女の子と同様、マリア様役をずっとやりたかったのですが、3年保育のうち2年は、マリア様に
     イエス様誕生を告げる天使ガブリエル役でした。
     (その当時は)からだが大きく、声も大きかったからかなあ。
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     水色のテロンとした生地でつくった服を着て、「イエス様がお生まれになります」と、右手を高くあげて
     マリア様に言う役です。

     幼稚園3年目、先生が私に聞いたんです。
     「さかなちゃんは、今年は何がやりたい?」
     これは!って思って、もちろん言いましたよ「マリア様!」って。

     そしたらね、先生はなんと、私に宿屋のおかみさん役をくれたのです。
     ショック!
     だって、おかみさんですよ!
     それに、マリア様、ヨセフ様に「部屋は空いてないんだよ!馬屋ならあるがね」って言う役なんですから^^;
     先生にちゃんと言ったのにな〜って思ってました。
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     おかみさん役では、ウエストにゴムの入った、白黒の細かい千鳥格子のスカートをつくってもらい、濃い水色の
     手編みの肩かけをしたことを覚えています。

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     イタリアでの初めてのクリスマス、私は友人のマレーシア人の女の子と一緒に、ペルージャのドゥオーモ
     (どの町にもある、町でいちばん重要な教会)のクリスマスミサに行きました。
     マレーシア人の友人はインド系なので、ヒンズー教徒。でもカトリックのミサに興味があるからって。

     クリスマスミサは、24日の夜10時半過ぎから始まって、夜中の12時をまたいで行われます。
     イタリア語もまだほとんどわからない時期でしたから、お話を聞くというよりも、カトリック教会の雰囲気、
     焚かれているお香の香りなどを味わうという、見学的な(←不謹慎)参加でした。
     プロテスタントのミサとは違う教会の装飾や道具の数々、日本語や英語で聞いたことがある賛美歌が、
     イタリア語だとこうなるのか〜って思ったり。

     12時近くなって、神父様のひとりが、両腕に抱えるほどの大きさのものを祭壇に持ってきました。
     白い布でおおわれています。

     12時。
     ミサをされていた神父様が、その白い布をパッと取ると・・・
     そこには、本物の赤ちゃんほどの大きさの、赤ちゃんのイエス様のお人形が!
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     「イエス様がお生まれになりました〜!」
     そうしてそのまま、イエス様誕生のお祝い、つまり(本当の意味での)クリスマスのミサが始まりました。

     まるで、タラ〜ン♪という音とともに出てくる手品の演出のような(←不謹慎!)その光景に、
     私の友人は大喜び!
     私も初めてみるその演出に、びっくりするやら、ニヤッとしてしまうやら。
     何もかもがシンプルなプロテスタントのミサとの違いに、いろんな意味でおもしろいなと思ったのでした。

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     今年のクリスマスは、ぜひある教会に行きたいと思っていました。
     数年前まで近く人住んでいた教会に。

     今住んでいる所からは、バスで数駅なのですが、夜中に歩いていくにはちょっと遠い。
     でも、ダイヤもなく、30〜40分に1本しか通らないバスを、氷点下の夜中に待つのは風邪ひきそう。
     ということで、24日の夜中のミサを諦め、25日の午後のミサに行きました。
     
     そしたら、人でい〜っぱい!
     クリスマスだからか、エキストラの椅子がたくさんあるのですが、それも人でうまっています。
     教会離れと言われているイタリア。年に2回、クリスマスとイースターにだけは教会に行くという人が
     ほとんどとか。
     そうか、24日の夜中だけじゃなく、25日もクリスマスのミサなんだよな。
     あらためてそう気づき、そっと教会の出入り口の脇の壁際に立ちました。
     (ちなみにこの教会の24日の夜中のミサに数年前に行ったのですが、イエス様のお人形は出てきませんでした。
     それともいたのかな。人が多すぎて、祭壇があまり見えなかったので)

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     ここは数年前まで、よくオルガンのコンサートを聴きに来ていた所。
     久しぶりに聴くオルガンの音は、それはそれは美しく、胸がいっぱいになって涙が出てきてしまいました。

     教会のいちばん後ろの壁際に椅子を持っていって座っているおじさん。
     ささっと入ってきて、お清めの水に手をさっとつけ十字を切ってから、しばらくミサを聴き、また同じように
     十字を切って、さっと帰っていく女性。
     友人と一緒のおばさんは空いている席を探し、ゆ〜っくり、ゆ〜っくり入ってきたおばあさんは、ちょうど
     入れ違いに出ていった、モノトーンだけど派手な服装の若い女の子をじ〜っくりと目で追い観察したあと、
     ゆっくり、ゆっくりと、教会の前の方の席に歩いていく。
     それぞれが、それぞれの方法で、ミサに聞き入っていました。

     私は、教会に入って気持ちがゆったりとし、オルガンの音色に聞き惚れていたかったのですが、実はミサの
     最後にあるパーチェの儀式(?)が苦手。
     「みんなで平和(pace パーチェ)を分かち合いましょう」という神父さんの言葉に、それぞれが
     自分のまわりにいる人と握手をしながら「パーチェ」と微笑みあうのです。
     ですが実際は、振り向いて私を見るなり、ぎょっとする人ばかり。アジア人に慣れていないのでしょうね。
     それに私は、いつもここに通っているわけでもないから顔見知りではないし。
     私はそれが嫌なので、できればその前に出て行きたい。
     後ろ髪ひかれる思いで、教会を早めにあとにしました。

     この教会には、またプレゼーピオを見に、こそこそ〜っと戻りたいなと思っています^^
by sakanatowani | 2011-12-27 07:41 | 季節のこと season's
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