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   プレゼーピオ
     イタリアのクリスマスといえば「プレゼーピオ」。
     先日の記事で、「何?」と思った方もいるかもしれません。
     プレゼーピオとは、キリスト生誕の様子を人形などであらわしたジオラマのこと。
     クリスマスツリーが飾られるころから1月6日まで、ツリーのまわりや部屋の中につくられます。

     具体的にどういうものかをみなさんに見せたいなと思って、今日、スーパーに行ってみました。
     この時期には、プレゼーピオに必要な人形や動物、人形などが売られていて、毎年少しずつ人形を
     買い足して、少しずつジオラマを大きくしていく楽しみもあるのです。
     ところが、が〜ん!ない!
     どうやらすでに、プレゼーピオ・コーナーが撤収してしまった様子。
     しまった!先日の市場のプレゼーピオ屋さんの写真を撮ってくるんだったなあ。
     もう撤収だなんて・・・飾り付けは終わったころだから、もう売れないってことなのかなあ。


     ということで、今回ご紹介するのは、街の中心の広場に今年登場した、ジェノバのイラストレーター、
     エマヌエーレ・ルッツァーティ(Emanuele Luzzati 1921-2007)のプレゼーピオをご紹介します。
   プレゼーピオ_d0165762_556433.gif

     こ〜んな大きなプレゼーピオ。
     ちょうど前に立っているおじさんとの比較でわかるかな。

     さて、近くに寄ってみましょう。
   プレゼーピオ_d0165762_5563020.gif

     中央に、マリア様とヨセフ様がいますね。
     あれ?キリストがいないよ?と思った方。正解です。

     そうです、キリストが生まれたのは12月25日。
     なのでその日までは、プレゼーピオにもキリストは置かれないのです。
     12月25日になる時に、まん中の黄色いほし草のところに、キリストが置かれるはずです。
     これは家庭のプレゼーピオでも同様で、赤ちゃんのキリストは、25日までは置かれません。
     (たいていは、馬小屋の後ろとかに隠してあります^^)


     イタリアに来て初めての年、中部イタリアのペルージャでクリスマスを向かえ、語学大学のクラスメートの
     マレーシア人の友人と一緒に、プレゼーピオ・ヴィヴェンテ(直訳すると「生きたプレゼーピオ」)を
     見に行きました。
     町の人がマリア、ヨセフ、羊飼い、村の人たちに扮装して、ひつじなどの動物と一緒に、キリスト生誕の
     様子を再現するのです。

     教会の下のスペースにおりていくと、ほし草の上を鶏が駆け回り、ひつじや牛がなき、その当時の
     服装をした人たちがいました。
     先を進んでいくと、いました、いました。マリア様とヨセフ様です。
     ??? 「でもキリストはいないね」
     「それにさ、マリアもなんだか太ってない?マリア様って、やっぱりすらりときれいな人じゃないとねえ」
     なんて、私たちはこそこそ話していました。

     が、その場をあとにしてから気づいたのです。その日がまだ24日だってこと!
     つまり、キリストはまだマリア様のお腹の中にいたんですね。
     だからマリア様も太っていた、いえ、お腹が大きかったのです(笑)
     たいていは、その年生まれた赤ちゃんがキリスト役に選ばれます。そしてそのお母さんがマリア様役ということが多いそう。
      そうじゃないと、プレゼーピオをしている間、赤ちゃんが泣いて大変でしょうから^^


     さて、もうひとつ、プレゼーピオで守られていることがあります。
     それは三人の賢者の位置。

     キリストが生まれた時に、夜空に大きな星が流れ、それを見た東方の三賢者が「救い主におめにかかりに
     行こう」とやってくるのです。
     彼らが、馬小屋で生まれたキリストのもとに着いたのは、1月6日。
     だからプレゼーピオでも、三賢者の人形は、飾った当時は馬小屋から遠いジオラマのはじっこに。
     そして25日を過ぎてからだんだんと、毎日、馬小屋に近い場所に移動させていくのです。
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     この広場のプレゼーピオでは、三賢者はここにいます。
     まあ、こういう場合は、遠くから毎日移動させていくわけにはいかないですからね。たぶん・・・まさか移動する?!
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     馬小屋をはさんで右や左には、いろいろな人たち、動物たちが集まってきています。


     広場には、ルッツァーティのアドベント・カレンダーもありました。
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     12月1日から毎日、1つずつ小窓があいて、キリスト誕生の25日を待つというカレンダー。
     それぞれの数字の窓にファスナーがついていて、それで覆いをとると、その奥の絵があらわれるという
     仕組みです。
     いいな〜。窓をあける人になりた〜い!

     プレゼーピオはナポリが発祥といわれていて、大きさも形も様々です。
     各教会にそれぞれのプレゼーピオがあるので、この時期に教会を訪れる楽しみのひとつでもあります。
     機会があったら、またプレゼーピオのお話を書きたいと思います。
by sakanatowani | 2011-12-15 06:18 | 季節のこと season's
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