クロスタータ
     またまたすっかりご無沙汰してしまいました。
     最近どうも、頭の中が、イラストのことでいっぱいなのです。
     ホームページを更新したり、いろいろあって、以前は描けていた雰囲気を今はどうも描けない。
     あの雰囲気を描けていた気分を取り戻したい・・・どこから始めようかって、
     昔の絵をひっぱり出してきて眺めたり。

     そんなことをしているうちに、こちらは秋真っ盛り。というよりも、もう初冬っぽい気温。
     ブログに書きたいと思っていた「この夏はまった食べ物」は、すっかり季節外れとなってしまいました^^;。
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     その中でも、これは今でもつくれるし、おいしいよ!っていうのが「クロスタータ」。
     これは、イタリアでよく食べられているジャムのタルト。
     タルトの上に、生地でチェック模様が描かれているのが特徴です。
     みなさんは、食べたことありますか?

     実は今まで、ケーキといえばフルーツや生クリーム派の私は、クロスタータなんて、好きではなかったのです。
     なんかね、ただのクッキーのジャムのせって感じがして^^;。

     ところがこの夏、友人のお母さんから、1リットルは入りそうな瓶いっぱいの手作りジャムをいただいてしまい、
     その消費をかねて^^;田舎の台所@イタリアのolivolivoさんのレシピを試してみて、もうびっくり!
     こんなにおいしいものだったなんて!
     続けざまに、この夏3回もつくってしまったのでした(笑)

     この生地、本当においしいです。口に入れると、ホロホロッとくずれて、さらっと溶けていくような軽さがあるんです。
     このクロスタータをお土産に持っていった仕事先のみんな(イタリア人)も、「これはおいしい!」と大絶賛。
     一度、お試しください!

     簡単だけど、こんなにおいしいというのは、やっぱりレシピの力だと思います。
     olivolivoさん、ありがとうございます〜。


     このクロスタータ、歴史はとっても古いよう。

     以前、中部イタリア、ウンブリア州ペルージャの外国人大学(イタリア語学校)に通っている頃に、美術史の授業に
     どっぷりはまったことがありました。
     その授業で行った、ウンブリア州モンテファルコのサン・フランチェスコ教会で、このクロスタータに出会ったのです。


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これは、サン・フランチェスコ(Wiki)の生涯を描いた壁画の一部。

サン・フランチェスコがモンテファルコのチェラーノ伯の屋敷に、伯爵の死に際して招かれた場面です。

テーブルの上をみてください。クロスタータがあるでしょう?^^



     このサン(聖)・フランチェスコという人物、ペルージャのそばのアッシジという町の裕福な織物商の息子
     として生まれました。はじめ、遊び人ふうの放蕩な暮らしをしていたのですが、1200年ごろの対ペルージャ
     戦に騎士として参戦するも、捕虜となり、今でも町の通路として使われているペルージャの要塞に幽閉され
     ます。そこで神の声を聞いて改心したという、ちょっと興味深い経歴の聖人です。

     私が習っていた美術史の教授は、このアッシジの出身。ですから、このフレスコ画を私たちに見せながら
     「ほら、サン・フランチェスコも、クロスタータを食べてたんだ!」と、嬉しそうに説明してくれました。
     
     フレスコ画を描いたのは、ベノッツォ・ゴッツォリ(Wiki)という、1400年代に活躍した画家。
     フィレンツェのメディチ家リカルディ宮に描いたフレスコ画が有名でしょう。
     彼は、フィレンツェに行く前、1400年半ばに、このサン・フランチェスコ教会の壁画を描いています。

     つまり1400年代半ばにはもう、クロスタータはあったということ。
     そしてその形は、今も変わらないというのも、すごいなあと思います。

     私たちと同じようにあの時代の人たちも、ああして暮らしていたんだなと感じられる、生活感が垣間見える。
     私にとってはこういう発見が、絵をみたり、美術史を勉強するの楽しみなのかなとも思います。
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by sakanatowani | 2010-10-10 19:53 | ごはん food
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